サン＝ジェルマン＝アン＝レー城

サン＝ジェルマン＝アン＝レー城の概要

サン＝ジェルマン＝アン＝レー城（Château de Saint-Germain-en-Laye）は、フランス・パリの西方約19kmに位置する、イヴリーヌ県のサン＝ジェルマン＝アン＝レーにある歴史的な王宮です。この城は、現在国立考古学博物館が設置されており、訪れる人々に多くの歴史的資料や文化的遺産を提供しています。

歴史的背景

初期の歴史（12世紀～13世紀）

城は12世紀にルイ6世によって築かれ、その後ルイ9世によって拡張されました。この初期の建物は「大砦（Grand Châtelet）」と呼ばれ、サン・ルイ教会がその一部として建設されました。この教会は、フランスゴシック建築を代表するものであり、ルイ9世の時代に常設の礼拝堂としても機能しました。

教会内の素晴らしい建築技術には珍しい特徴があり、例えば、窓が非常に大きく取られているため、内部には支柱がなく広々として開放的な空間が創出されています。その後、1346年にはエドワード黒太子によって城が攻撃を受け、現在残るのはゴシック様式の教会部分のみです。

近世の発展（16世紀～18世紀）

1539年にフランソワ1世が城を再建し、以降は何度も改修されました。この時期、城の庭はフランス式庭園の基礎を築くこととなり、久しく続く庭園のスタイルを導入しました。ルイ14世はこの城で誕生し、宮廷文化の中心地として注目を集めていましたが、その後の宮廷移転により、城はあまり利用されなくなりました。

1688年、亡命したイギリス王ジェームズ2世が城に住まいを持ちましたが、彼の死後、ジャコバイトたちは城を去り、最終的にスチュアート朝の関連者たちも姿を消します。

近代の変遷（19世紀～21世紀）

19世紀には、ナポレオン・ボナパルトが騎兵隊の訓練所を設けたこともあり、1862年にはナポレオン3世の指導のもと、城の修復作業が始まりました。1867年には国立考古学博物館が設けられ、そこにはフランスの考古学的遺物が多数収蔵されています。

また、1919年にはサン＝ジェルマン条約がこの城で締結されるなど、歴史的な出来事とも深く関わっています。第二次世界大戦中、この城はドイツ軍の本部として利用されました。

現在のサン＝ジェルマン＝アン＝レー城

現在、サン＝ジェルマン＝アン＝レー城は、国立考古学博物館として、旧石器時代からメロヴィング朝に至るまでの様々な収蔵物を展示しています。近代的な修復の結果、城はその歴史的価値を有し続け、多くの観光客や研究者を引き寄せています。

サン＝ジェルマン＝アン＝レー城は、歴史的背景、美しい庭園、壮大な建築で訪れる人々を魅了し続けるフランスの重要な文化遺産です。

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