サヴォイア＝カリニャーノ家

サヴォイア＝カリニャーノ家は、1620年にサヴォイア公子トンマーゾ・フランチェスコがカリニャーノ公の称号を授けられたことに始まるサヴォイア家の分家です。本家が断絶した後、ピエモンテ＝サルデーニャ、そしてイタリア王国の王家となりました。

歴史

始祖トンマーゾ・フランチェスコは、サヴォイア公カルロ・エマヌエーレ1世とスペイン王女カタリーナ・ミカエラの末息子として生まれました。カリニャーノは1418年よりサヴォイア家の封土であり、トリノの南20kmに位置するピエモンテ地方の一部でした。トンマーゾ・フランチェスコは名目上カリニャーノを分封領として与えられましたが、独立領主ではなく、カリニャーノからの貢納も認められませんでした。その代わり、莫大な世襲財産が与えられました。

1625年、トンマーゾ・フランチェスコはブルボン家のソワソン伯ルイの妹マリーと結婚。1641年にソワソン伯ルイがリシュリュー枢機卿との争いで敗死すると、カリニャーノ家がソワソン伯爵位を継承しました。カリニャーノ家の分枝であるソワソン伯爵家（サヴォワ＝ソワソン家）からは、ハプスブルク帝国に仕えた名将プリンツ・オイゲンが出ました。

1751年、カリニャーノ公領を実質的に治めていたサルデーニャ王カルロ・エマヌエーレ3世は、負債の帳消しのため、カリニャーノをブルボン家のパンティエーヴル公ルイ・ジャン・マリーに売却。1793年にパンティエーヴル公爵が亡くなると、その娘であるオルレアン公爵夫人ルイーズ・マリー・アデライードがカリニャーノを相続しましたが、フランス革命の混乱の中で没収されました。

第4代当主ルイージ・ヴィットーリオの末息子エウジェーニオ・イラリオーネは、1781年に貴賤結婚をし、彼とその子孫はヴィラフランカ伯の称号を与えられ、サヴォイア＝ヴィラフランカ家を形成しました。ルイージ・ヴィットーリオの五女マリーア・ルイーザは、フランス王妃マリー・アントワネットの女官長を務め、ランバル公妃として知られましたが、フランス革命時に王党派として民衆に虐殺されました。

1831年、サヴォイア本家が断絶したことに伴い、第7代当主カルロ・アルベルトがサルデーニャ王位を継承。これにより、サヴォイア＝カリニャーノ家は名実ともに支配者家門となりました。

カリニャーノ公（1620年 - 1831年）

トンマーゾ・フランチェスコ（在位1620年 - 1656年）
エマヌエーレ・フィリベルト（在位1656年 - 1709年）
ヴィットーリオ・アメデーオ1世（在位1709年 - 1741年）
ルイージ・ヴィットーリオ（在位1741年 - 1778年）
ヴィットーリオ・アメデーオ2世（在位1778年 - 1780年）
カルロ・エマヌエーレ（在位1780年 - 1800年）
カルロ・アルベルト（在位1800年 - 1831年）

1831年、カリニャーノ公はサルデーニャ王位を継承しました。

関連項目

サヴォイア＝アオスタ家 - サヴォイア＝カリニャーノ家の分家で、現在も続いています。
* サヴォイア＝ジェノヴァ家 - サヴォイア＝カリニャーノ家の分家で、1990年代に断絶しました。

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