サーフィン・サファリ

ザ・ビーチ・ボーイズ - サーフィン・サファリ (Surfin' Safari)

1962年にリリースされたザ・ビーチ・ボーイズのデビューアルバム『サーフィン・サファリ』。当時、このアルバムが後に彼らがアメリカを代表するバンドへと成長するとは、ほとんど誰も想像していなかったでしょう。しかし、この作品には、彼らの音楽的な探求の始まりが記録されています。

アルバム誕生の背景

1961年秋、ブライアン・ウィルソンとそのいとこのマイク・ラブは「サーフィン」を作曲しました。ブライアンは、弟のデニスとカール、高校の友人アル・ジャーディンを誘い、バンドを結成。初期のメンバー構成は、ブライアンがドラム、カールがリードギター、アルがベース、マイクがフロント・ヴォーカルを担当していました。

しかし、アルは学業に専念するため一時脱退。本作のレコーディングでは、代わりにデヴィッド・マークスがサイドギターで全面的に参加しています。デヴィッドはベースが弾けなかったため、ブライアンがベースに転向し、デニスがドラムスを演奏することになりました。

ミックスとステレオ化の試み

オリジナル盤はモノラルミックスと、擬似ステレオのデュオフォニック・ミックスで発売されました。CDではモノラルミックスのみがリリースされています。一部楽曲ではセッション・テープが現存しないため、「ランド・アホイ」を除き、真のステレオ化は実現していません。

2012年には、『サーフィン・U.S.A.』から『スマイリー・スマイル』までがモノラル＆ステレオの2in1で再発された際、『サーフィン・サファリ』もステレオバージョンを発表する計画がありましたが、技術的な問題から実現には至りませんでした。

収録曲

1. サーフィン・サファリ - Surfin' Safari
2. カウンティ・フェアー - County Fair
3. テン・リトル・インディアンズ - Ten Little Indians
4. チャガ・ラガ - Chug-A-Lug
5. リトル・ガール - Little Girl (You're My Miss America)
6. 409 - 409
7. サーフィン - Surfin'
8. 君の勝ち - Heads You Win - Tails I Lose
9. サマータイム・ブルース - Summertime Blues
10. カッコー時計 - Cuckoo Clock
11. ムーン・ドーグ - Moon Dawg
12. シフト - The Shift

ボーナス・トラック

シンディ・オー・シンディ - Cindy, Oh Cindy
ランド・アホイ - Land Ahoy

「サーフィン」のシングルB面だった「ルアウ」は、当初アルバム未収録でしたが、1991年のアルバム『ロスト・アンド・ファウンド (1961-62)』に収録されました。

レコーディング・メンバー

マイク・ラブ – リード・ヴォーカル、ハーモニー＆バッキング・ヴォーカル
アル・ジャーディン – ハーモニー＆バッキング・ヴォーカル (「サーフィン」)、アコースティック・ベース (「サーフィン」)
デヴィッド・マークス – リード、ハーモニー＆バッキング・ヴォーカル、リズムギター
ブライアン・ウィルソン – リード、ハーモニー＆バッキング・ヴォーカル、ベースギター、オルガン
カール・ウィルソン – リード、ハーモニー＆バッキング・ヴォーカル、リードギター
デニス・ウィルソン – リード、ハーモニー＆バッキング・ヴォーカル、ドラムス

参加ミュージシャン

* ニック・ヴェネット – ハーモニー＆バッキング・ヴォーカル、エレクトリックギター

『サーフィン・サファリ』は、ザ・ビーチ・ボーイズの輝かしいキャリアの出発点であり、彼らの音楽的進化を辿る上で欠かせない作品です。

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