サーブ・900

サーブ・900の全貌

サーブ・900とは、スウェーデンの自動車メーカーによって製造された乗用車であり、1960年代からの設計を受け継いでいます。この車は、サーブの航空機部門の技術力を反映したモデルであり、2つの世代、すなわち初代モデルの「Classic 900」と、GM傘下の「New 900」が存在します。特に欧米では、これら二つのモデルはそれぞれ異なる特徴を持つため、区別されているのです。

初代 Classic 900

1978年に登場したClassic 900は、サーブの主力車種であった99の改良モデルとしてデビューし、衝突安全基準に対応するためにその車体設計を見直しました。ラウンド形状のフロントウィンドウと独自のボディデザインに加え、力強い排気 soundが特徴で、多くのファンに愛されました。基本的には3ドア・5ドアのハッチバックからスタートし、約25年以上にわたって生産が続けられ、90万台以上が市場に出ました。

このモデルは、1993年には新たなオペルベースのモデルに引き継がれましたが、その間にも多くの改良が行われ、特にエンジンの性能向上が図られました。ターボエンジンを搭載したモデルでは、高速道路での走行性能が向上し、自動車ファンから高い評価を受けました。

エンジンと性能

Classic 900のエンジンは直列4気筒の1.0リットルから2.0リットルターボまで多種多様なバリエーションが存在しました。最高速度や加速性能はモデルによって異なり、特にターボ16Sは205km/hに達する能力を持っていました。このような性能向上は、排気系の改善やターボチャージャーのアップグレードによるものでした。

日本市場での受け入れ

日本市場においては、当初はかなりの珍車でしたが、1980年代後半に元気を増し、人気作家の掲載によって注目を浴びました。しかし、その後の販売は低迷し、代理権が移行するなど変遷を経ました。

二代目 New 900

1993年に登場したNew 900は、オペルと共通のプラットフォームを利用し、従来のサーブデザインを引き継いでいます。しかし、その構造は1990年代のファミリーサルーンの常識に沿ったもので、初代ほどの強い個性は薄れました。エンジンラインアップには4気筒の自然吸気タイプやターボタイプ、さらにはV6エンジンが搭載されており、多様な選択肢を持っていました。

トランスミッションとボディタイプ

New 900では、トランスミッションの選択肢として4速ATのほか、5速MTも設定されています。カブリオレモデルは、従来のスタイルを持ちながらも安全性を向上させた設計で、開閉が全自動で行えるのが特徴です。

終焉と改名

1998年のマイナーチェンジにより、New 900は「9-3」という新しい名称に改名され、従来の900シリーズはこの時点で姿を消すこととなりました。サーブ・900は、スウェーデン製の個性的な自動車として、自動車史に名を刻む存在となりました。

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