サーベイヤー6号

サーベイヤー6号について

サーベイヤー6号（Surveyor 6）は、アメリカ合衆国が1960年代に実施したサーベイヤー計画の6機目の月着陸探査機です。この探査機は、1967年11月7日に打ち上げられ、11月10日に月面の中央の入江に軟着陸しました。サーベイヤー6号は、合計で30,027枚の画像を地球に送信するなど、科学的なデータ取得を目的とした重要なミッションを遂行しました。

サーベイヤー計画の目的

サーベイヤー6号は、サーベイヤー計画の中で、月面に計画的に軟着陸した4機目の探査機です。この計画の主な目的は、月面の地形や土壌に関する詳細な情報を収集し、アポロ計画に必要な知見を得ることでした。具体的には、月面土壌中の化学元素の存在量調査や、着陸時のダイナミクスデータの収集、温度やレーダー反射率に関するデータの取得が行われました。また、バーニアエンジンの侵食実験も行われました。

着陸と初期の成果

サーベイヤー6号は、北緯0.49度、西経1.40度に位置する中央の入江に無事着陸し、計画していたすべての目標を達成しました。この成功により、アポロ計画のための重要なデータが得られ、月面探査の技術が向上しました。着陸後、サーベイヤー6号は11月24日の月の夜を迎えましたが、それ以降の通信は効果的には行われませんでした。

装置の仕様

テレビカメラ

探査機に装備されたテレビカメラは、サーベイヤー5号と非常に似た構造を持ちますが、カラーフィルターが偏向フィルターに変更されていました。この変更により、月面によって散乱された光の直線偏光成分を正確に測定することができました。

アルファ散乱表面分析器

この分析器は、月面の主要元素の存在量を直接測定するために開発されました。装置の底部には直径100mmの穴があき、ここから6つのアルファ線源（キュリウム242）が放射されました。月面からの散乱アルファ粒子を検出するためのセンサーが設置され、実験に必要なデータが地球へ送信されました。データ収集は11月11日から11月24日までの間に行われましたが、最終的に科学的な分析に供するデータはノイズがない状態で収集されました。

探査機の運用と成果

サーベイヤー6号は、月の表面から打ち上げられた最初のロケットであり、その動力は液体燃料のバーニアエンジンによって供給されました。初回の着陸地点から3メートルほど移動した後に再着陸し、探査機は正常に機能を続けました。これにより、既知の情報に対する理解が深まり、月の土壌に関する多くのデータが蓄積されました。

この探査機の成功は、アポロ計画の準備においても重要な成果とされており、その技術やデータは後の月面探査に多大な影響を与えました。多くの成果を生んだサーベイヤー6号は、月探査の歴史に名を刻む存在となりました。

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