サーメット

サーメットとは

サーメット（cermet）は、セラミックス（ceramics）と金属（metal）を組み合わせた造語で、その名の通り、セラミックスの硬さと金属の靭性を併せ持つ複合材料です。具体的には、金属の炭化物や窒化物といった硬質化合物の粉末を、金属の結合材と混合し、焼結して作られます。

特徴

サーメットは、一般的に耐熱性や耐摩耗性が非常に高いという特徴を持ちます。しかし、その反面、脆く欠けやすいという弱点も持ち合わせています。このため、使用環境や用途に合わせて適切な組成や加工が求められます。

用途

その優れた特性から、サーメットは様々な分野で活用されています。主な用途としては、以下のようなものが挙げられます。

切削工具: 特に鋼の仕上げ切削において、その性能を発揮します。炭化チタン（TiC）や炭窒化チタン（TiCN）などのチタン化合物が、ニッケル（Ni）やコバルト（Co）で結合されたものが多く用いられます。これらのチタン系サーメットは、超硬合金と比較して鉄との親和性が低いため、工具の摩耗を抑制し、より精密な加工を実現します。
化学プラントの機械部品: 耐熱性や耐腐食性が求められる環境下で使用される機械部品にもサーメットは適しています。
高温用ノズル: 高温環境下で使用されるノズルにも、その高い耐熱性が活かされます。

組成

サーメットの組成は、用途や要求特性に応じて多種多様です。一例として、以下の組成（重量パーセント）が挙げられます。

TiC (炭化チタン): 20
TiN (窒化チタン): 15
WC (炭化タングステン): 10
Mo2C (二炭化モリブデン): 5
Ni (ニッケル): 5

この例では、炭化チタン、窒化チタン、炭化タングステン、二炭化モリブデンが硬質化合物として、ニッケルが結合材として用いられています。これらの配合割合を調整することで、サーメットの特性を制御することができます。

切削工具材料としてのサーメット

切削工具材料として使用されるサーメットは、特にチタン系の化合物が中心です。具体的には、炭化チタン（TiC）や炭窒化チタン（TiCN）などのチタン化合物をニッケル（Ni）やコバルト（Co）で結合したものが多く用いられます。これらのチタン系サーメットは、超硬合金に比べて鉄との親和性が低く、鋼の仕上げ切削において特に有効です。また、硬質化合物としては、炭化ニオブ（NbC）なども用いられることがあります。

超硬合金との比較

定義上、超硬合金と呼ばれる炭化タングステン（WC）を主成分としたものもサーメットに含まれますが、一般的には区別されます。超硬合金はサーメットよりも強度が高く、より過酷な切削加工に適していますが、鉄との親和性が高いという特徴があります。一方、サーメットは、耐摩耗性に優れ、特に鋼の仕上げ加工においてその性能を発揮します。

まとめ

サーメットは、セラミックスと金属の利点を組み合わせた複合材料であり、その高い耐熱性、耐摩耗性を活かして、様々な分野で活用されています。特に切削工具材料としての需要が高く、今後も更なる発展が期待されます。

関連項目

超硬合金の説明があるURLや記事へのリンク'>超硬合金
超電磁ロボ コン・バトラーVの説明があるURLや記事へのリンク'>超電磁ロボ コン・バトラーV

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