ニオブ

ニオブについての詳細

ニオブ（英: niobium、元素記号: Nb、原子番号: 41）は、かつてコロンビウムと呼ばれたレアメタルの一つです。柔らかい灰色の金属で、延性が高く、主にパイロクロアやコルンブ石といった鉱物から得られます。この名前はギリシア神話のニオベーに由来し、タンタルと非常に似た特性を持つために名付けられました。

1801年、イングランドの化学者チャールズ・ハチェットが新しい元素を発見し、コロンビウムと名付けました。しかし、その後の研究により、コロンビウムとタンタルが同一であると誤認されることがありました。1846年にドイツのハインリヒ・ローゼは、タンタル鉱石には異なる元素が含まれると判断し、ニオブと名付けました。1864年と1865年に行われた科学的発見により、ニオブがコロンビウムと同じ元素であることが確認されました。1949年にIUPACが正式に「ニオブ」という名称を採用しましたが、アメリカでは未だにコロンビウムの名が使用されている場面もあります。

物理的性質

ニオブは光沢のある灰色で、常磁性を持ちます。常温下では展延性が高く、非常に純度の高い金属は柔らかい特性を示しますが、不純物が含まれると硬くなります。また、絶対零度から融点までの間に体心立方格子構造を持っていると考えられていますが、高解像度測定によると異方性も認められています。ニオブは超伝導性を示し、室温での超伝導臨界温度は9.2ケルビンであり、全元素の中でも特に高い耐磁場侵入長も持っています。

化学的性質

室温でのニオブは青味がかった色を呈し、高い融点を持ちます。様々な非金属と反応し、主に酸化物として存在します。酸化数は+5から-1まで取り得ますが、大半は+5の状態で存在します。ニオブの硫化物や酸化物は多くの化合物の前駆体となります。

同位体

93Nbのみが安定同位体として地殻に存在し、これに対して数多くの放射性同位体が知られています。放射性同位体の中で最も安定なものは92Nbで、その半減期は3470万年に達します。

生産と供給

ニオブはペグマタイトやカーボナタイト鉱床から主に採掘され、特にブラジルが主要な生産国です。ブラジルとカナダからのニオブ供給が世界の大多数を占めており、最近ではハイテク用途の需要が増加しています。

用途

ニオブは鉄鋼産業での特殊合[[金]]に使用されるほか、航空宇宙や電子、医療、宝飾品などさまざまな分野で利用されます。特にニオブの超伝導特性はMRI装置や粒子加速器など、高性能な機械に必要不可欠です。ニオブを含む合[[金]]は、耐熱性と強度の向上をもたらし、適応範囲も広がっています。

健康への影響

ニオブは生物学的に安定した性質を持ち、アレルギーを引き起こしにくいとされています。宝飾品や医学用インプラントでの利用が見込まれる一方、細粉では刺激性があり取り扱いには注意が必要です。

以上のように、ニオブはその歴史的背景に加えて、工業的な利用価値が高く、今後も幅広い用途が期待されている元素です。

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