サール4.5型ミサイル艇

サール4.5型ミサイル艇

サール4.5型ミサイル艇は、イスラエル海軍に所属するミサイル艇の艦級であり、特にその万能な兵装と運用能力が際立っています。基本的には先代のサール4型を基に設計され、船体が延長されているため、安定性と機動性に優れた艦船となっています。

設計とサブクラス

サール4.5型には、アリヤ級、ロマット級、そしてヘッツ級の3つの主要なサブクラスがあります。最初に建造されたアリヤ級は、ヘリコプターを運用する能力を持ち、後方には中型ヘリコプターを収容できる格納庫が設置され、船尾甲板はヘリコプターの発着に対応した設計となっています。この航行能力は主にハープーン艦対艦ミサイルの発射準備に活用されていました。

アリヤ級の後に建造されたロマット級では、ヘリコプター運用機能が省かれるかわりに、兵器システムが強化されており、ハープーンミサイルの搭載数が倍増し、またガブリエルミサイルの搭載数も増加しています。さらには、船尾甲板に76mm単装速射砲が追加されています。このロマット級の改修型であるヘッツ級は、完全に再設計され、主機関をより大出力のものに換装しています。

ヘッツ級の進化

ヘッツ級は特に兵器搭載能力に優れており、艦対空ミサイルとしてバラク-1防空ミサイルを搭載したVLS（垂直発射システム）を4基装備しています。また、ガブリエル発射筒と76mm単装速射砲の配置が調整されています。加えて、搭載されるレーダーシステムは国産品に切り替えられ、最新の技術が導入されています。

ここで注目すべきは、ロマット級の2隻が後にこのヘッツ級の規格に改装された点です。また、サール4型の船体や一部の艤装を利用して新たに建造された艦もあります。

アリヤ級の売却

興味深いことに、2004年1月にアリヤ級の艦艇がメキシコ海軍に売却され、この際に装備されていたハープーンミサイルは撤去されました。しかし、ガブリエルミサイルは残され、ハープーンの搭載スペースは保持されています。

同型艦と関連情報

この艦の設計に影響を受けた同型艦は、イタリア製のフィンカンティエリ550型コルベットや、バーレーン海軍のアル・マナマ級コルベット、アラブ首長国連邦海軍のムーレイ・ジップ級コルベットなどがあります。また、ウィキメディア・コモンズには、サール4.5型ミサイル艇に関する多くの資料が公開されています。

サール4.5型ミサイル艇は、その高い戦闘能力と柔軟な運用範囲から、今後も国際的な軍事プレゼンスの一環として、重要な役割を果たすことが期待されます。

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