サーヴィス (YMOのアルバム)

アルバム『サーヴィス』について

『サーヴィス』(SERVICE)は、1983年12月14日にアルファ[[レコード]]よりリリースされた、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の8作目のスタジオアルバムです。作詞は高橋幸宏、坂本龍一、細野晴臣が担当し、英訳をピーター・バラカンが手掛けています。プロデューサーもYMOが務め、先行シングル「以心電信」を収録しています。

背景

本アルバムは、当初は前作『浮気なぼくら』をもって解散する予定だったYMOが、高橋のアイデアにより三宅裕司が率いるスーパー・エキセントリック・シアター（S.E.T.）とのコラボレーションとして企画されました。散開記念アルバムとして制作されたことから、メンバー間に衝突もなく、穏やかな雰囲気で制作が進められたと、高橋は語っています。2003年のインタビューでは、ウッチャンナンチャンのユニットが本作でYMOを知った経緯も話されています。

録音と制作

このアルバムの構想は高橋が主導し、ニッポン放送のラジオ番組内でS.E.T.とのコラボレーションを提案しました。既に解散が決まっていたため、制作には余裕があり、活動を続けるモチベーションがあったと細野は述べています。S.E.T.との共同作業は特に本作の製作において重要だったとし、音楽自体は真面目に制作されたと報告されています。各メンバーは個々に楽曲を完成させる形で、オムニバス的なアルバムとなっています。

使用された楽器には、Sequential Circuits社のプロフェッショナルな楽器群が含まれ、当時の最先端の音作りが行われました。

音楽性

1999年版のライナーノーツでは、前作がブリティッシュ・サイケデリアに近いのに対し、本作は当時流行していたAOR（アダルト・オリエンテッド・ロック）に近いサウンドが追求されています。坂本が同時期にニューヨークの音楽環境に影響を受けている一方で、細野も独自のメロディを追求しています。このアルバムは、アメリカーナへの移行を象徴する作品とも言われており、特にエコーを抑えた音作りが際立っています。

リリースと評価

本作は1983年12月14日にLPとカセットで発売され、初回盤LPはイエロー・ヴィニール仕様でした。多くの再リリースを経て、特に1999年と2003年の再発が大きな注目を集めました。オリコンチャートでは5位にランクインし、累計売り上げは約13.6万枚となっています。

批評家の評価は様々で、音楽情報サイト『オールミュージック』では低評価を受けた一方で、他の評論家はYMOのメンバーそれぞれの才能を評価し、後期のポップス的要素が強調されたとしています。

ツアー

アルバムリリース前の1983年11月23日から12月22日まで、日本武道館での公演を含む「1983 YMOジャパンツアー」が行われ、このツアーがYMOとしての最後のツアーとなりました。サポートメンバーとしてデヴィッド・パーマーも参加し、多くのファンに愛されました。

本作はYMOの歴史において重要な位置を占めており、音楽だけでなく、その背後にあるストーリーやメンバーの個性を知る上でも貴重な作品となっています。

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