浮気なぼくら

アルバム『浮気なぼくら』の概要

『浮気なぼくら』（原題: NAUGHTY BOYS）は、1983年5月24日にアルファ[[レコード]]からリリースされた、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の第7作目のスタジオアルバムです。本作は、全てのトラックに歌詞が付いている「歌モノ」のアルバムであり、後にボーカル部分をシンセサイザーに置き換えたインストゥルメンタル版も販売されました。

記録と製作背景

このアルバムの制作には、メンバーの細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一が作詞・作曲に関わっています。さらに、ピーター・バラカンや松本隆も一部の楽曲に携わり、YMOそれぞれの個性を引き出した作品に仕上がりました。このアルバムのプロデューサー表示は、前作までは細野の名義でしたが、Y.M.O.名義に変更されました。特に注目されるのは、カネボウ化粧品のCMソングとして使用された先行シングル「君に、胸キュン。」が含まれている点です。

前作『テクノデリック』以降、メンバーはソロでも活発に活動しており、シンセサウンドを巧みに取り入れた歌謡曲を多数作成してきました。これらの経験がこのアルバムの音楽性にも強く影響を与えており、YMO独特のスタイルを持ちながらも、アイドルソングや歌謡曲への意識が明確に表れています。

音楽的アプローチとスタイル

本作は、前作までとは異なり、よりポップなアプローチを取り入れています。一見、レコードのセールスを狙った歌謡曲のように見えますが、細野はこのアルバムを「テクノデリック」の続編と位置付け、当時のヒット歌謡曲とは異なる独自性を持った楽曲であると語っています。各メンバーの特徴的なスタイルが顕著に現れており、細野は重厚な楽曲を、高橋はポップな楽曲を、坂本は繊細な楽曲を得意としています。

レコーディングと機材

アルバムのレコーディングは1982年10月から1983年1月にかけて行われ、音響ハウスやALFA Studioで制作されました。このアルバムではデジタル録音が採用され、メンバー自身がシーケンサーを利用するスタイルも取り入れられました。ビル・ネルソンがギターで参加し、外部ミュージシャンとのコラボレーションが新たな風を吹き込んでいます。

商業的成功とプロモーション

1983年のリリースに際して、YMOはテレビの音楽番組に頻繁に出演し、人々の耳に強く印象を残しました。「君に、胸キュン。」の初登場は視聴者の注目を集め、短いスパンで次々と番組に出演し、音楽ランキングでも好成績を記録しました。

このアルバムは、YMOの活動の中でも重要な位置を占め、彼らの音楽スタイルの進化を示す証ともなっています。リリースから数十年経った今でも、その独自の音楽性と影響力は多くのアーティストに受け継がれています。

収録曲の特徴

本アルバムには、様々な楽曲が収められています。シングル「君に、胸キュン。」や、国際通信年のテーマソング「以心電信」などが収録されており、特に「君に、胸キュン。」はYMOのテクノポップの魅力を存分に引き出した名曲とされています。また、坂本の娘のために書かれた「ONGAKU」や、ビル・ネルソンとの共作となった「WILD AMBITIONS」なども、多様な音楽性を体現しています。

まとめ

『浮気なぼくら』は、YMOの音楽的な変遷を象徴するアルバムであり、愛され続けるレパートリーの一部として、今後も日本の音楽シーンに影響を与え続けることでしょう。

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