ザウバー・C14

ザウバー・C14について

ザウバー・C14は、ザウバーが1995年のF1世界選手権に向けて開発したフォーミュラ1カーです。このマシンは、レオ・レスとアンドレ・デ・コルタンツが設計を担当し、1995年の開幕戦からシーズンの最終戦まで参戦しました。

概要

ザウバーは、グループC時代のメルセデスとのパートナーシップを終了した後、新たにフォードと提携を結びました。その結果、前年ベネトンに搭載されていたフォード・ZETEC-Rエンジンを獲得しました。このエンジンは、前年の3.5リッターV8からレギュレーションの変更に伴って排気量が3リッターにダウンしています。シャシーのデザインも変更され、シーズンの途中からハイノーズが採用されました。このC14に搭載されたZETEC-Rエンジンは、翌年のフォルティのFG01BおよびFG03に搭載され、さらに1997年にはローラ・T97/30|ローラ・T97_30にも使われるなど、3年にわたり他のチームでも使用されました。

C14の基礎開発は1994年2月に始まり、エンジン変更による影響で遅れが生じましたが、1995年2月には完成し、シェイクダウンが行われました。開幕戦に向けて、3台のC14が準備されました。この車両は、C13に比べて170mm短く、ドライバーの安全性を重視し、コックピットにサイドプロテクターが設けられました。ペーター・ザウバーはドライバーの安全を最大限に考慮した設計を求め、開幕前には「何度か表彰台に立つことを期待している」と意気込みを示しました。

1995年シーズンの挑戦

1995年のドライバーには、前年のモナコグランプリでの事故から復帰したカール・ヴェンドリンガーと、印象的なデビューを果たしたハインツ＝ハラルド・フレンツェンが起用されましたが、開幕当初は色々な課題に直面しました。特にエンジンの特性が昨年のモデルとは異なり、フォードV8エンジンに変更された結果、重心バランスが変わり、ギアボックストラブルに悩まされることとなりました。

フレンツェンは、開幕3戦で2度の入賞を果たしましたが、フォードエンジンのパフォーマンスには苦しむ時期が続きました。特に3リッターのゼテックRは前年のエンジンとは異なり、トップスピードで遅れを取り続け、シーズン序盤は不振が続きました。5戦目のモナコGPでは、ヴェンドリンガーに代わり前年の国際F3000チャンピオンであるジャン＝クリストフ・ブイヨンが交代。しかし、C14のハンドリングはあまり良くなく、両者の間に格差が生まれる結果となりました。

このような状況の中で、チームとしては資金面が大きな課題となっており、レッドブルとのメインスポンサー契約により資金の確保が実現しました。また、マレーシアのペトロナスとの契約も結び、カラーリングも一新されました。

シーズン後半の成果

シーズンの中盤からギアボックスの改良が進み、機体バランスが改善されると共に、C14の実力が徐々に発揮されていきました。フレンツェンは、イタリアGPで自身とチームにとって初めての表彰台に立つなど、最終的には8回の入賞を果たす活躍を見せました。

10月には、5ヵ月ぶりにヴェンドリンガーが復帰しましたが、順位は低迷することとなり、彼のF1キャリアはこの年限りで終了しました。一方、フレンツェンは残りの契約を続行し、引き続きザウバーでの活躍が期待されました。

スペック

• - シャーシ名: C14
• - 全長: 4,340mm
• - エンジン名: フォード・コスワース・ZETEC-R
• - 気筒数: V型8気筒
• - 燃料: エルフ
• - 潤滑油: カストロール

C14は、高い信頼性と安全性を重視したデザインが特徴であり、ザウバーにとって新たな挑戦と成長の象徴ともいえる存在でした。

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