ザウバー・C20

ザウバー・C20について

ザウバー・C20（Sauber C20）は、2001年のF1世界選手権に向けてザウバーが開発したフォーミュラ1カーです。この車両は設計者セルジオ・リンランドによってデザインされ、前年のC19の設計思想を引き継ぎつつ新しい要素が組み込まれました。

設計の進化

C20では、フロントノーズの下にサスペンションアームを直接マウントする方法を取らず、モノコックの双方を張り出させる「ツインキール」という設計が採用されました。このスタイルは翌年の2002年シーズンには他のチーム、特にマクラーレンやアロウズが取り入れることになります。

フロントウィングに関しては、レギュレーションの変更により、左右の高さが50mm増加しました。ザウバーはこのウィングを三種類用意しており、サーキットの特性に応じて使い分けていました。中央部分が垂れ下がったデザインを標準とし、ダウンフォースが求められる場合には段差付き、超高速サーキットではフラットデザインを選択しました。

チームのカラーリングは、メインスポンサーのレッドブルの面積が減少し、新たなスポンサーであるクレディ・スイスのホワイトが目立つ印象となりました。また、ドライバー選考においては、レッドブルがエンリケ・ベルノルディを推薦しましたが、ザウバーはこれを拒否し、結果的に少し関係が悪化しました。

2001年シーズンの展開

2001年シーズンを迎えるにあたり、ミカ・サロとペドロ・ディニスがチームを去り、ザウバーはニック・ハイドフェルドとルーキーのキミ・ライコネンという若手ドライバーで戦うことになりました。ライコネンはまだフォーミュラ・ルノーでの23レースしか経験がなく、F3000やF3での実績も全くありませんでした。そのため、彼の起用は物議を醸し、国際自動車連盟（FIA）から交付されたスーパーライセンスは4戦限定という条件付きのものでした。

しかし、ライコネンはデビュー戦のオーストラリアGPで6位入賞の成績を収め、その後、正式なスーパーライセンスも発給され、シーズン序盤にはチームメイトをもしのぐ速さで成績を残しました。9ポイントを獲得するなど、その自然な才能が発揮され一気に注目の的となります。

一方、プロストでの厳しいシーズンを過ごしたハイドフェルドもオーストラリアGPで4位入賞し、ブラジルGPでは念願の3位表彰台を獲得するなど、彼自身の才能を証明しました。若手コンビという不安要因があったものの、ザウバーは1993年のデビュー以来最高のコンストラクターズランキング4位を獲得する大成果を収めました。

車両スペック

• - シャシーネーム: C20
• - 材質: カーボンファイバー・アルミハニカムコンポジット
• - タイヤ: ブリヂストン製
• - ギヤボックス: 7速セミオートマチック
• - エンジン名: ペトロナス01A（フェラーリ製）
• - 気筒数・バンク角: V型10気筒・90度

F1での成績

• - ニック・ハイドフェルド: ドライバーズランキング8位
• - キミ・ライコネン: ドライバーズランキング10位

C20は、ザウバーにとっての重要な成長のステップとなり、若手ドライバーたちがチームの未来を切り拓くきっかけとなったマシンでした。

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