ザハーイの戦い

ザハーイの戦い：オーストリア継承戦争におけるフランスの勝利

ザハーイの戦いは、1742年5月24日にボヘミア南部のザハーイ（現在のチェコ共和国）で勃発した、オーストリア継承戦争における重要な戦闘の一つです。フランス軍がオーストリア軍に対して勝利を収め、その後の政治的状況に大きな影響を与えました。

戦いの背景

この戦いは、プロイセン王フリードリヒ2世がコトゥジッツの戦いでオーストリア軍に勝利した直後に行われました。フランス軍はブロイ公爵の指揮のもと、ロプコヴィッツ侯爵率いるオーストリア軍と対峙しました。ロプコヴィッツは、フランス軍の前哨地であるフラウエンベルクを包囲し、砲撃を開始していました。ブロイ公爵はベル＝イルと合流し、この包囲を解こうとしました。

戦闘の経過

戦闘は午後4時頃に開始されました。オーストリア軍は戦列を形成し、その左翼は非正規の軽歩兵であるパンデュール300人で構成されていました。地形は左が沼地、右と後ろが森という状況でした。数に勝るフランス軍は攻撃を開始し、騎兵で沼地を突破すると同時に、擲弾兵を前衛としてザハーイを攻撃しました。オーストリア軍のパンデュールは村に火を放って撤退しました。

オーストリア軍は一時的に規律を失い森へと退却しましたが、すぐに態勢を立て直し反撃に転じました。オーストリア軍の胸甲騎兵3個連隊は、高地からフランス軍のカラビニアーと竜騎兵2個連隊に向けて突撃を敢行しました。しかし、フランス騎兵がオーストリア騎兵を側面から襲撃したため、この攻撃は撃退されました。両軍の歩兵も互いに攻撃を仕掛けましたが、フランス軍が優勢に進め、オーストリア軍を森まで押し戻しました。フランスのナヴァール連隊は銃剣突撃を3度行い、オーストリア騎兵も歩兵の後ろで再集結して再度突撃を試みましたが、フランス軍のホーエンツォレルン胸甲騎兵が多大な損害を出しながらもこれを阻止しました。

戦闘は午後8時頃に終結し、オーストリア軍は夜陰に乗じて撤退しました。オーストリア軍の損害は大砲6門と戦死者500人に及び、フランス軍の損害は約250人でした。

戦いの影響

ザハーイにおけるフランス軍の勝利は、戦術的には小規模なものでしたが、政治的には重要な意味を持ちました。コトゥジッツとザハーイでの連敗を受けて、オーストリアのマリア・テレジアは、1742年6月11日にブレスラウ条約を締結し、シュレージエンをプロイセン王国に割譲することを余儀なくされました。この戦いは、オーストリア継承戦争の帰趨を左右する一因となったと言えるでしょう。

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