ザラ (重巡洋艦)

ザラ (Zara) について

ザラは、イタリア海軍に属する重巡洋艦であり、ザラ級重巡洋艦の一艦に該当します。この艦はイタリアのOTOラ・スペツィア造船所にて建造され、1931年10月20日に竣工しました。用意された艦は、他の艦艇とは異なり、主に防御力を重視した設計が施されており、高速性よりも重装甲を備えていました。これは、当時の艦艇が持つ性能の多様性を象徴しています。

艦歴

ザラの艦歴は1929年に始まります。7月4日に起工し、1930年4月27日に進水しました。その後、1931年に完成し、すぐに第2次世界大戦という大きな歴史の舞台に立つことになりました。

1939年、ザラはアルバニアへの侵攻に参加し、その後、イタリアが第二次世界大戦に参戦する際にはターラントに配備されていました。1940年7月9日には、カラブリア岬沖での海戦に参加し、その後の11月にはタラント空襲を受けました。これは、戦局が激化してきた証でもありました。12月に入ると、ナポリも空襲を受け、重巡洋艦ポーラが損傷を負ったため、ザラはゴリツィアと共にラ・マッダレーナへ移動することになりました。

その後、ザラは再びナポリに戻り、12月23日にはターラントへ移動。しかし、1941年の3月26日、ザラはエジプトのアレクサンドリアからギリシャに向かうイギリスの輸送船団を攻撃するために出撃しました。ここで、3月28日夜に重巡洋艦ポーラの救援に向かう途中、イギリス艦隊からの攻撃を受け、ザラは重巡洋艦フィウメと共に撃沈されることとなりました。この戦闘は「マタパン岬沖海戦」として知られています。

艦名の由来

ザラの艦名は、第一次世界大戦においてイタリアが取得したアドリア海沿岸の都市、現代のクロアチアにあたるザーラ（Zadar）から取られています。この名前は、イタリア海軍の艦艇の多くが地域や歴史にちなんだ名称を持つ中で、特に重要な位置を占めています。

まとめ

ザラは、第二次世界大戦中に重要な役割を果たしましたが、その運命は過酷でした。その設計は防御力重視であり、速度の点では他の艦に劣るものでしたが、当時の海戦においてはその特性がどのように機能したのか、今でも多くの海軍歴史家によって研究されています。ザラの艦歴は、その時代の海軍戦術や戦争の厳しさを物語るものであり、後世に語り継がれるべき重要な存在です。

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