ザルツブルク州

ザルツブルク州について

オーストリアの中部に位置するザルツブルク州は、その美しい自然環境と豊かな歴史で知られています。州都は同名のザルツブルク市であり、この地域は観光や文化の中心地としても人気があります。ザルツブルク州の面積は7,150平方キロメートルで、オーストリア全土の約8.3%を占めています。また、人口は約53万人であり、オーストリア全人口の約6.4%を占めています。

地理と自然

ザルツブルク州はその多くがアルプス山脈の一部を占めており、自然が豊かです。州内を流れるザルツァッハ川に沿って、多くの街や村が発展してきました。また、州の南部にはオーストリアの最高峰であるグロースグロックナー山がそびえており、ハイキングや登山の愛好者にとって貴重なスポットとなっています。特に北東部にあるザルツカンマーグート地域は、その美しい湖と山々に囲まれた独特の風景から世界遺産に登録されています。

歴史的背景

ザルツブルク州の歴史は新石器時代にさかのぼり、古代にはケルト人による文化が栄えていました。その後、紀元前15年にローマ帝国によって征服され、ノリクム属州が置かれました。この時期、塩や鉄、金などの重要な資源が取引されました。その後、聖セヴェリノによりキリスト教が広がり、ザルツブルクはヨーロッパの宗教的中心地の一つとなりました。

特に798年にはローマ教皇からザルツブルク大司教の地位を得たアルノによって、地域はさらなる発展を遂げました。その後の中世には、ザルツブルクの支配権を巡る争いが続きましたが、エーバーハルト2世の治世においては大幅な領地拡張が実現し、「領邦ザルツブルクの父」と称されました。

近代の変遷

1803年には大司教が領地を失い、ザルツブルク選帝侯国が設立されました。ナチス・ドイツによる統治が行われた時期もありましたが、戦後はアメリカ軍の占領下に置かれ、1955年に独立が回復されました。

1995年にオーストリアが欧州連合に加盟し、国境の入国手続きが簡略化されたことで、ザルツブルク州は国際的な交流の場となりました。また、1996年にはザルツブルク市の歴史地区がユネスコの世界遺産に登録されています。

政治と行政

ザルツブルク州は現在、36議席を有する州議会が運営しており、オーストリア国民党（ÖVP）が伝統的に強い政党です。政権の主導権は時折交代し、2004年にはオーストリア社会民主党（SPÖ）が第一党となり、初の女性州首相が誕生しました。

州内は5つの郡に分かれ、各郡は行政事務を担当しています。州都のザルツブルクは憲章都市とされ、行政業務は独自に行われています。

交通と観光

ザルツブルク州には、ザルツブルク空港があり、国内外からのアクセスも便利です。この地は有名なザルツブルク音楽祭や他の文化イベントを通じて観光産業も発展しています。このように、ザルツブルク州は歴史と自然の美しさを融合した魅力的な場所で、多くの訪問者を魅了し続けています。

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