ザンクト・ヤコブ・パルク

ザンクト・ヤコブ・パルクは、スイスのバーゼルに位置する、国内最大の収容人数を誇るサッカー専用スタジアムです。スーパーリーグに所属するFCバーゼルが本拠地として使用しており、その存在は単なる競技場を超え、地域社会のシンボルとなっています。

歴史と概要

ザンクト・ヤコブ・パルクは、かつて存在したザンクト・ヤコブ・スタジアムの跡地に建設され、2001年に完成しました。UEFA EURO 2008では、開幕戦、準々決勝、準決勝などの重要な試合が開催され、国際的な舞台でもその名を知らしめました。特筆すべきは、試合開催日にスタジアムの外観がFCバーゼルのチームカラーにライトアップされることで、街全体がチームへの情熱に包まれる一体感を演出します。

構造と設備

スタジアムのスタンド部は、単なる観客席としてだけでなく、高齢者向け居住施設や会員制フィットネスクラブも併設されており、多世代交流の場としての役割も担っています。さらに、グラウンドの下には地下3階建ての巨大なショッピングモールが広がっており、試合日以外でも多くの人々で賑わっています。

愛称と収容人数の変遷

旧スタジアムから引き継がれた愛称は、"Joggeli"（ヨゲリ）。これは、正式名称に含まれるヤコブのバーゼル地方訛りに由来します。スタジアムは比較的新しいですが、数度の改修を経て収容人数が変遷しています。開設当初は33,433人でしたが、UEFA EURO 2008開催のために42,000人収容に拡張され、その後現在の38,512人収容へと改修されました。

UEFAヨーロッパリーグ決勝

2016年には、UEFAヨーロッパリーグの決勝が当地で開催され、世界中のサッカーファンから注目を集めました。この大会の開催は、ザンクト・ヤコブ・パルクが国際的な舞台でも高く評価されている証と言えるでしょう。

臨時駅

スタジアムへのアクセスを考慮し、スイス連邦鉄道は2001年9月7日付けで、スタジアムの北側に臨時駅バーゼル・ザンクト・ヤコブ Basel St. Jacobを開設しました。この駅は、バーゼルSBB駅からバーゼルSBB操車場につながる貨物線上に位置しているため、通常は定期列車の停車はありません。しかし、FCバーゼルの試合時には、バーゼルSBB駅から臨時列車 "Joggeli-Shuttle" が運行されるほか、対戦相手の本拠地から直通する臨時列車が運行されることもあります。これにより、多くの観客がスムーズにスタジアムへアクセスできるようになっています。

ザンクト・ヤコブ・パルクは、サッカーの試合観戦だけでなく、地域住民の生活にも深く根ざした多機能な施設であり、FCバーゼルの象徴として、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。

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