ザ・ストロークス

ザ・ストロークス：ロックンロール・リバイバルの旗手

ザ・ストロークスは、アメリカ合衆国ニューヨーク出身の5人組ロックバンドです。ジュリアン・カサブランカス(ボーカル)、ニック・ヴァレンシ(ギター)、アルバート・ハモンドJr.(ギター)、ニコライ・フレイチュア(ベース)、ファブリツィオ・モレッティ(ドラムス)という個性豊かなメンバーで構成されています。

1999年、ニューヨークのアッパーウエストサイドの学校に通う幼馴染みを中心に結成されました。メンバーは互いに知り合い、異なるバックグラウンドを持ちながらも、共通の音楽的志向を共有し、バンドを結成するに至りました。

2001年、イギリスのレーベル、ラフ・トレードと契約。3曲入りのEP『ザ・モダン・エイジ』を発表すると、イギリスで旋風を巻き起こし、多くの音楽誌から「NEXT BIG THING」として注目されました。同年、デビューアルバム『イズ・ディス・イット』をリリース。世界中で大ヒットを記録し、一躍人気バンドの仲間入りを果たします。デビューアルバムは、写真が卑猥であるとされ、アメリカ版ではジャケット写真が差し替えられ、楽曲「New York City Cops」も差し替えられるという出来事もありました。

2002年には初来日公演を行い、チケットは即日完売。会場の規模を変更するほどの人気ぶりを見せつけました。その後も精力的に活動を続け、2003年にはセカンドアルバム『ルーム・オン・ファイア』を発表。「12:51」や「レプティリア」といったヒット曲を輩出、人気を不動のものとしました。サマーソニックへの出演も果たし、日本での知名度も大きく向上しました。

2000年代初頭、アメリカではヒップホップやR&Bが、イギリスではレディオヘッドやコールドプレイといった陰鬱なバンドが主流でした。そんな中、ストロークスは1960年代のガレージロックサウンドを現代風にアレンジした、洗練された都会的なサウンドで人気を獲得。 ロックミュージックのセールスが低迷する中、「ロックの復権」「ロックンロール・リバイバルの旗手」としてメディアから注目を集めました。この評価は、イギリスを中心としたマスメディアによる戦略的なプロモーションという見方もあるものの、ストロークスは多くのリスナーを獲得し、後続のバンドにも大きな影響を与えました。

フランツ・フェルディナンド、アークティック・モンキーズ、カイザー・チーフスといった、2000年代を代表するUKのガレージロック/ポストパンクバンドの多くは、ストロークスの影響を公言しています。彼らのサウンドは、ザ・ホワイト・ストライプスとも比較されますが、ストロークスの音楽性はより都会的で洗練されており、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやテレヴィジョンといったニューヨークのアンダーグラウンドシーン出身のバンドにも共通点が見られます。メンバー自身は、それらのバンドからの直接的な影響を否定しているものの、その独特の雰囲気は、ニューヨークの音楽シーンとの繋がりを感じさせます。

その後もアルバム『ファースト・インプレッションズ・オブ・アース』（2006年）、『アングルズ』（2011年）、『カムダウン・マシーン』（2013年）、EP『フューチャー・プレゼント・パスト』（2016年）を発表。フジロックフェスティバルやサマーソニックといった大型フェスにもヘッドライナーとして出演し、その人気を不動のものにしました。2020年には6thアルバム『ザ・ニュー・アブノーマル』を発表し、第63回グラミー賞で最優秀ロック・アルバム賞を受賞。これは彼らのキャリアにおける初のグラミー賞受賞となりました。

楽曲「ラスト・ナイト」は、ローリング・ストーン誌の「オールタイム・グレイテスト・ソング500」に選出されるなど、その音楽性は高く評価されています。ザ・ストロークスは、2000年代以降のロックシーンに多大な影響を与え、現代のロック音楽に欠かせない存在として、その名を刻んでいます。

ディスコグラフィー

スタジオアルバム

Is This It (2001)
Room on Fire (2003)
First Impressions of Earth (2006)
Angles (2011)
Comedown Machine (2013)
The New Abnormal (2020)

EP

The Modern Age (2001)
Future Present Past (2016)

日本公演

ザ・ストロークスは日本でも数々の公演を行っています。2002年の初来日公演から、サマーソニック、フジロックフェスティバルへの出演など、日本での活動も盛んに行っています。

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