ザ・タイガース 華やかなる招待

映画『ザ・タイガース 華やかなる招待』

『ザ・タイガース 華やかなる招待』は、1968年に公開された日本の青春映画で、当時の人気グループであるザ・タイガースが主演を務めています。監督は山本邦彦が担当し、彼の手腕によって、1960年代後半にかけてのグループサウンズ（GS）ブームの中で一際輝く作品となります。物語は、東京でコンサートを開くことを夢見る5人の若者たちの成長を描いており、音楽への情熱や友情、夢に向かっての奮闘をテーマにしています。

作品の概要と制作背景

この映画は1968年12月19日に公開され、東宝系で展開されました。監督の山本邦彦は、グループサウンズを題材にした映画『にっぽん親不孝時代』で監督デビューを果たした後、これが彼の2作目となります。脚本は田波靖男が務め、実力派のスタッフが集結しました。撮影は、後に『青春の門』シリーズを手がけた村井博が担当しており、映画の視覚的な表現にも貢献しました。

この作品は、レコード音源とは異なる演奏が多く、ザ・タイガースの魅力的なパフォーマンスを堪能できる点が特徴です。サウンドトラックは当初リリースされませんでしたが、1982年には『想い出の映画サントラのすべて』としてカセットテープがリリースされ、2002年にはCD化されました。

あらすじ

物語の中心には、私立高校に通う宇野健二（沢田研二）をはじめとした5人の若者がいます。彼らは東京に行き、ステージで演奏することを夢見て日々練習を重ねています。しかし、現実は厳しく、親たちは彼らの長髪に反対し、髪を切ろうとします。逃げる彼らは意図せず貨物列車に閉じ込められ、その列車が東京へ向かって出発してしまいます。

東京に着いた彼らですが、所持金はほとんどなく、食べ物にも困ります。ディスコのバンドに採用されかけるも、担任の先生に見つかり、逃げることになります。その道中で無銭飲食をするハプニングも起こり、さらには画学生のマリ（小山ルミ）と、ウエイトレスの久美かおり（瀬戸口久美子）に助けられることになります。

久美子は彼らにバンドボーイの仕事を紹介しますが、想定外のトラブルで警察に捕まるという事件が発生。その後、宇野の実家で働くはなが全財産を使って楽器と住居を用意してくれます。久美子は彼らを芸能事務所に売り込みますが、宇野と久美子はすれ違い、久美子が事故に遭うという展開に。

クライマックス

最終的には、久美子の手術費用を捻出すべく、彼らは楽器を売却することになり、無事に手術を終えた久美子。しかし楽器を失った彼らにはデビューの道が閉ざされます。親たちに誤解され、実家に帰ることになりますが、薮井先生が彼らのために動き出します。久美子が心配する中、彼らは成功を収め、久美子のために特別なコンサートを開くことに。

最終的には、久美子を囲んで念願のデビューが果たされ、彼らは様々なステージで情熱的な演奏を繰り広げていく姿が描かれます。青春の成長や努力が結実する感動的な結末が、観客の心に残るでしょう。夢に向かって突き進む姿は、今も色あせない魅力を放っています。

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