ザ・デイリー・ショー

『ザ・デイリー・ショー』（The Daily Show、現在はThe Daily Show with Trevor Noah）は、アメリカのケーブルテレビ局コメディ・セントラルで放送されている政治風刺ニュース番組です。毎週月曜日から木曜日の夜に30分間放送されており、キャスターを務めるトレヴァー・ノアが、その日のニュースを誇張や風刺を交えながら伝えます。

番組は、ニューヨークにあるコメディ・セントラルの国際ニュース本部から放送され、ニュース報道のパロディでありながら、社会問題や政治に対する鋭い視点とユーモアが特徴です。番組内では、著名人へのインタビューも行われますが、単なる社交辞令ではなく、時に手厳しい質問を投げかけることで知られています。

1996年に放送を開始しましたが、1999年にジョン・スチュワートが司会に就任してから人気が爆発的に高まりました。当初はフェイクニュースを面白おかしく伝える番組でしたが、その政治風刺の姿勢が若者を中心に支持を集め、2004年の大統領選挙特集ではケーブルテレビで最も人気のある番組の一つとなりました。また、2005年と2006年にはエミー賞を受賞しています。

通常のニュース素材だけでなく、コメディアンがリポーターに扮し、ホワイトハウス前でレポートをしたり、偽の現場中継や公聴会を模倣するなど、バラエティに富んだコーナーも設けられています。特に人気を博したのは、リポーター役の一人であったスティーヴン・コルベアです。彼の真顔で支離滅裂な言動が人気を呼び、自身の番組『コルベア・レポー』を持つに至りました。

番組の最後には、著名人へのインタビューコーナーがあり、クリントン元大統領、パウエル元国務長官、オバマ大統領など、政界の重要人物が多数出演しています。民主党、共和党、保守派、リベラル派に関わらず、話題の人物をゲストに招くのが特徴です。また、本物のトーク番組のパロディとして、最近著書を出版した知識人なども招かれますが、その場合は奇抜な内容の著書を書いた人物が選ばれる傾向にあります。

ブッシュ政権時代には、その政策を批判することが多かったため、リベラル色の強い番組と見られることもあります。しかし、実際にはそれ以前のクリントン政権時にも批判的な報道を行っており、あらゆる権威を風刺するのが番組の基本的な姿勢です。ただし、FOX[[ニュース]]に対しては、対立を煽るメディアとして批判的な立場をとっており、2010年には同局のグレン・ベックに対抗し、「アメリカが正気を回復するための集会」をワシントンD.C.で開催しました。

番組では政治に関するジョークが多く、その人気が高まるにつれて大物政治家がゲストとして出演する機会が増えました。しかし、番組内ではゲストの政治家をジャーナリストの視点から追及することはあまりなく、単なる政治家の若者向け広告塔に成り下がっているという批判もあります。また、政治家や行政のミスをネタに笑いを取るという番組の性質上、視聴者、特に若年層が政治に対して冷笑的な見方をするようになるのではないかという懸念も指摘されています。

CNN向けには、過去1週間に放送された『ザ・デイリー・ショー』の名場面をまとめた『ザ・デイリー・ショー・グローバル・エディション』が放送されていました。番組冒頭には、「この番組は、ニュースパロディであり、事実確認は取れていません。リポーターはジャーナリストではありません。ここでの意見は完全に考え抜かれたものではありません」という免責事項が英語で表示されます。

日本でのCNN放送では、字幕放送はなく、同時通訳またはその録音で放送されていました。しかし、政治ネタが多いジョークを翻訳することは困難であり、英語音声のみの放送となりました。週1回のセレクション放送から不定期の再放送になった後、放送は打ち切られ、2010年に突然終了しました。

番組の公式サイト（英語）では、過去の放送を視聴することができます。

Comedy Central Shows: The Daily Show - 公式サイト（英語）（過去の放送が視聴できる）

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