ザ・プライス(THE PRICE)について
ザ・プライスは、株式会社
イトーヨーカ堂が運営していた
ディスカウントストアであり、低価格で商品を提供することを目指して設立されました。従来の
総合スーパー「イトーヨーカドー」から
業態転換した形で誕生し、主に食品や衣料品、日用品といった商品を取り扱っていました。特に、消費者の節約志向が高まる中で、イトーヨーカドーよりも25%から30%安い価格設定が特徴でした。しばらくは直営店ではなく、フランチャイズ的な形態での展開も見られました。
歴史の流れ
1980年代初頭に
イトーヨーカ堂が
ディスカウントストア業態に乗り出し、ザ・プライスというブランド名での出店を開始しました。その後、数店舗が出店されましたが、
2000年代に入り経営が厳しくなり、多くの店舗が閉店しました。
2008年には再び新店舗開店が行われ、イトーヨーカドーの西新井店が新生ザ・プライスとして初めてオープンしました。この店舗の開店を皮切りに、他の店舗も次々と
業態転換されていきました。
再展開された店舗は形状こそ異なっていても、いかにして安価で質の高い商品を提供するかに重きを置きました。
2013年には再び出店を再開し、湘南台店、水元店やせんげん台店などが新しく開店しました。新店舗でも従来の
プライベートブランド商品を導入したり、セブンプレミアムなどを取り扱うこともあったため、消費者には新しい選択肢が提供されました。
ブランドの移行
しかし、2015年以降は建物の老朽化の影響を受け、閉店やリブランドが続いた結果、2020年には多くの店舗が食品館イトーヨーカドーへと
業態変更され、「ヨークプライス」という名称に移行しました。最後まで西日本に進出することはなかったものの、ザ・プライスは首都圏を中心に一定の顧客層を獲得しました。
ポイントカードと支払い
ザ・プライスでは、独自のアイワイポイントカードを導入しませんでしたが、イトーヨーカドーのポイントカードが利用可能でした。なお、最初の
業態転換の際はnanaco電子マネーも利用できたものの、その後制限された時期もありました。現段階ではnanacoでの支払いが可能ですが、ポイントの付与はありません。その他にもクレジットカードを利用することができ、特にセブンカードでの決済ではポイントが付与される仕組みがありました。
店舗一覧
現在、ザ・プライスの多くの店舗はヨークプライスとしてリブランドされ、一部は閉鎖されまたは他
業態と統合されました。代表的な店舗には、
東京都足立区の西新井店や
神奈川県藤沢市の湘南台店、
埼玉県越谷市のせんげん台店などがあります。
一方で、過去に存在した店舗の中には業績不振や老朽化による閉店が相次ぐなど、流動的な展開がありました。特に、
長岡市の丸大店や武蔵野市の琴似店など、
イトーヨーカ堂の理念に基づき運営されていた店舗もありましたが、最終的にはブランド移行や閉鎖が進んでいきました。
このようにザ・プライスは、日本の流通業界において消費者のニーズに応える一端を担ってきた歴史を持っています。今後の展開がどう進むかは注目です。