ザ・マンザイクイズ

ザ・マンザイクイズ

「ザ・マンザイクイズ」（THE MANZAIQUIZ）は、1980年10月6日から1982年3月にかけて、文化放送で月曜日から金曜日の夜8時から9時まで放送されていたラジオ番組です。正式名称を『8時だがっぽり!ザ・マンザイクイズ』といい、リスナーからは『マンクイ』の愛称で親しまれました。この番組は、聴取者が電話を通じて参加できるクイズ企画と、公開生放送形式を特徴としていました。

1980年代初頭、日本は空前の漫才ブームに沸いていました。こうした時代背景の中、文化放送は人気を博していたクイズ番組と、勢いのある漫才を組み合わせたユニークなエンターテインメント番組として『ザ・マンザイクイズ』を企画・スタートさせました。番組の目玉の一つとして、毎回注目の若手漫才コンビが登場し、「マンクイ・パートナー」と呼ばれました。彼らは番組内で、出題されるクイズに関連した漫才やトークなどを披露し、当時の漫才ブームをさらに盛り上げる一翼を担いました。また、「ヒット曲とクイズの組み合わせ」というコンセプトも掲げられていました。

番組への参加者は、原則として電話で出演しました。クイズは毎回8種類のテーマから出題され、解答は番組中に流れる楽曲の間に受け付けられました。そして、楽曲が終了すると同時に正解が発表される流れで進行しました。見事正解したリスナーの中から抽選で、賞金として1万円が贈られました。さらに、番組では曜日ごとに特定の音楽ジャンルに焦点を当て、ニューミュージック、有線放送、アルバムなどのベスト6ランキングを発表しました。これは当時の流行音楽を知る上で興味深いコーナーでした。

番組の司会進行およびクイズの出題は、文化放送のアナウンサーが担当しました。当初は現在もフリーアナウンサーとして活躍する大野正（現・大野勢太郎）と中田秀作が隔週で担当していましたが、1981年10月からは坂信一郎と竹内靖夫も加わり、計4名が交代でマイクを握りました。彼らは漫才コンビとの掛け合いを巧みにこなし、スポーツ実況などで見せる真面目な一面とは異なる、ひょうきんで親しみやすいキャラクターを発揮しました。これにより、ラジオアナウンサーとして新たなファン層を獲得するという効果も生まれました。特に大野正アナウンサーは、当時の人気テレビ番組「笑ってる場合ですよ!」（フジテレビ系）にゲスト出演するほどの知名度を得ました。

マンクイ・パートナーとして番組を彩った漫才コンビには、B&B、ザ・ぼんち、おぼん・こぼん、太平サブロー・シローなど、当時の人気コンビが多数出演しました。彼らの軽妙なトークや漫才が番組の雰囲気を一層高めました。

しかし、順調に人気を博していた『ザ・マンザイクイズ』も、およそ1年半で終了を迎えます。その大きな理由の一つに、文化放送の番組編成の変更がありました。それまで平日夜にプロ野球中継を行っていなかった文化放送が、プロ野球球団・西武ライオンズとのタイアップ企画として「文化放送ライオンズナイター」を放送することになったのです。この新しいプロ野球中継番組が、『ザ・マンザイクイズ』が放送されていた時間帯に編成されることになったため、番組は終了を余儀なくされました。また、番組開始当初の絶頂期に比べ、漫才ブームがやや収束に向かっていた時期であったことも、終了の要因として考えられます。番組終了以降、文化放送では、プロ野球シーズン中のこの時間帯に帯バラエティ番組が放送されることはなくなりました。

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