太平サブロー・シロー

太平サブロー・シロー：破天荒な人生と漫才への情熱

太平サブロー・シローは、日本の漫才史に名を刻む伝説的なコンビです。松竹芸能の養成所出身の2人は、漫才トリオ・レツゴー三匹に師事し、1976年にコンビを結成。新世界新花月で鮮烈なデビューを飾りました。師匠であるレツゴー三匹の計らいにより、吉本興業への移籍を実現させたエピソードは、漫才界における伝説として語り継がれています。

当初は松竹芸能に所属していましたが、人気番組『ヤングおー!おー!』への出演を夢見て、吉本興業への移籍を希望。しかし、両事務所間の協定により移籍は困難でした。そこで、師匠であるレツゴー三匹が、2人の移籍をスムーズに進めるため、わざと破門劇を演出。この奇策によって、2人は吉本興業へ移籍することができたのです。この出来事は、師弟関係の深さと、2人の芸能界での成功への強い意志を象徴する出来事と言えるでしょう。

1980年代の漫才ブームに乗り、太平サブロー・シローは人気漫才コンビの地位を確立します。テンポの良い漫才と、サブローの横山やすし、シローの西川きよしといった巧みなものまねは、彼らの大きな魅力でした。数々の賞を受賞し、その実力は島田紳助からも高く評価されました。紳助は、サブロー・シローやダウンタウンの台頭によって、自身のコンビ、紳助・竜介の解散を決意したと語っています。これは、太平サブロー・シローが漫才界に与えた影響の大きさを示すエピソードと言えるでしょう。

彼らは、当時無名だったダウンタウンの才能を見抜き、ラジオ番組『おっと!モモンガ』のレギュラー出演に推薦しました。これは、ダウンタウンのキャリアにおいて非常に重要な転機となり、後の活躍の礎を築くことになります。ダウンタウンの松本は、この番組での経験について、「ものすごくいい勉強になった」と回顧しており、サブロー・シローとの関係の深さと、彼らからの大きな影響を伺わせる言葉です。

しかし、1988年に吉本興業から独立し、東京に事務所を設立。しかし、その後、仕事観の違いから1992年にコンビを解消、喧嘩別れという形になりました。1993年にサブローが吉本興業に復帰しますが、シローもその後復帰するものの、2人の確執は解消されず、コンビの再結成は叶いませんでした。2012年、シローの急逝により、サブロー・シローの再結成は永遠に不可能となってしまいました。

太平サブロー・シローは、やすしきよし、オール阪神巨人、B&B、のりおよしおなど、多くの芸人のものまねをレパートリーに持ち、独自のスタイルを確立しました。漫才におけるボケとツッコミの役割は固定されておらず、ネタによって役割が変わることも特徴でした。

彼らの漫才は、多くの賞に輝きました。NHK上方[[漫才コンテスト]]最優秀賞、上方[[漫才大賞]]、日本放送演芸大賞など、数々の受賞歴は、彼らの実力の証です。また、テレビ番組『ヤングおー!おー!』や『THE MANZAI』、『笑ってる場合ですよ!』など、数多くの番組に出演し、国民的な人気を博しました。

数々の賞を受賞し、ダウンタウンを世に出すなど、漫才界に多大な貢献をした太平サブロー・シロー。その功績は、漫才史に燦然と輝くものと言えるでしょう。コンビ解消という悲しい結末を迎えたものの、彼らの活躍は、今もなお多くの人の記憶に刻まれています。

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