ザ・ロッカーズ

ザ・ロッカーズ (TH eROCKERS)

ザ・ロッカーズは、1970年代後半から1980年代初頭にかけて活動し、日本のロックシーンに大きな影響を与えたバンドです。陣内孝則を中心に結成され、グラムロックの影響を受けた独特のスタイルと、エネルギッシュなライブパフォーマンスで人気を博しました。

バンドの歴史

1976年、陣内孝則が高校在学中に福岡で結成。当初はローリング・ストーンズのコピーバンドとして活動していましたが、次第にラモーンズやニューヨーク・ドールズなどのパンク・ロック、グラムロックの楽曲も演奏するようになります。当時の福岡のライブハウスシーンで頭角を現し、ルースターズ、ARB、THE MODSといったバンドと共に、日本のロックシーンを盛り上げました。

ザ・ロッカーズの特徴は、陣内の派手なステージアクションとグラムロック風の衣装でした。皮ジャンやジーンズが主流だった当時のロックバンドの中で、陣内はデヴィッド・ボウイのようなメイクを施し、カラフルなスーツを着て、マイクスタンドを振り回すなど、観客を魅了しました。また、他のバンドのライブとは異なり、女性客が多かったことも特徴で、熱狂的なファンが下着をステージに投げ込むこともあったそうです。

1979年には、福岡のアマチュアバンドコンテストで優勝。1980年にアルバム『WHO TH eROCKERS』でメジャーデビューを果たします。その後も、アルバムリリースやライブ活動を精力的に行い、人気を確立しました。1982年には、石井聰互監督の映画『爆裂都市 BURST CITY』に、陣内、鶴川を含むメンバーが「バトルロッカーズ」として出演し、話題を呼びました。

しかし、1982年6月28日のライブを最後に解散。陣内は俳優として活動を始め、数々のドラマや映画に出演し、成功を収めました。

その後、1989年にオリジナルメンバーで再結成し、イベントに出演。1991年にも再結成ライブを行いましたが、穴井と鶴川は不参加でした。1996年には、ギタリストの谷信雄がバイク事故で亡くなるという悲しい出来事もありました。

2003年には、陣内が自伝を基に監督した映画『ROCKERS』が公開され、バンドの結成から解散までを描いた青春映画として話題となりました。

2014年には、元メンバーの橋本潤が死去。同年10月には追悼ライブが行われ、1991年の再結成時のメンバー構成で25年ぶりに再結成を果たしました。その後も、不定期にライブ活動を行っています。

2018年には、ドラムスの船越祥一、ギターの角英明が脱退し、新たに田中元尚と百々和宏が加入。新体制でライブ活動を再開し、2019年にはアルバムをリリース、ツアーも敢行しました。

バンド名の由来とエピソード

バンド名は、「THe ROCKERS」ではなく、「TH eROCKERS」が正しい表記です。これは、「エロッカーズ」とも読めるようにという遊び心から付けられたものです。

1stアルバムは、千葉県香取市にある観福寺で録音されました。レコーディングはわずか3時間で、全て一発録りで行われたという逸話があります。

また、陣内が考案した、楽曲『可愛いアノ娘』で披露されるマイクスタンドに全体重を乗せて前方に飛び出す技「陣内ジャンプ」は、ザ・ロッカーズの名物パフォーマンスとして知られています。

メンバー

ザ・ロッカーズは、結成から現在に至るまで、メンバーチェンジを繰り返しています。

現在のメンバー (2018年以降)

陣内孝則（ボーカル）
百々和宏（ギター）
澄田健（ギター）
穴井仁吉（ベース）
田中元尚（ドラムス）

ディスコグラフィ

シングル

黒い眼をしてU.S.A c/w ショック・ゲーム (1980年)
プライベート・タイム c/w シャープシューズでケリ上げろ! (1981年)
涙のモーターウェイ c/w TVエンジェル (1981年)
冷たくしないで c/w クレイジーラブ (1981年) ※非売品プロモーション用シングル

オリジナルアルバム

WHO TH eROCKERS (1980年)
COME ON (1981年)
SHAKIN' (1981年)
Rock'n Roll (2019年)

カバーアルバム

HANKY PANKY 〜 POP COME BACK (1981年)

ライブアルバム

LIP SERVICE (1991年)

映像作品

13×7 (1991年)

関連アーティスト

POTSHOT
Lucy
* 森若香織

ザ・ロッカーズは、日本のロックシーンに大きな足跡を残したバンドとして、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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