ザ・ローリング・ストーンズ・ナウ!

ローリング・ストーンズのアメリカ進出を象徴する名盤『ザ・ローリング・ストーンズ・ナウ！』

1965年、ローリング・ストーンズはアメリカで3作目のオリジナル・アルバム『ザ・ローリング・ストーンズ・ナウ！』をリリースしました。このアルバムは、彼らがアメリカで確固たる地位を築く上で重要な役割を果たした作品と言えるでしょう。

本作には、イギリスで発表されたアルバム『ザ・ローリング・ストーンズ No.2』からの選りすぐりの楽曲と、アメリカでのシングルカットされた曲、そして本作で初お目見えとなる新曲が収録されています。これら12曲は、ストーンズの初期の代表曲と言える楽曲群であり、彼らの音楽的才能を余すことなく示しています。

特に注目すべきは、ミック・ジャガーとキース・リチャーズによって書かれたオリジナル曲4曲が収録されている点です。彼らのソングライティング能力が既に開花していたことがうかがえます。また、アルバムにはブルースやR&Bのカヴァーも含まれており、ストーンズのルーツであるアメリカン・ブルースへの敬意と、それを独自のスタイルで消化する彼らの卓越した技量が示されています。

アルバムはモノラルとステレオの2バージョンでリリースされ、後のリイシューでは異なるバージョンが採用されたり、ステレオミックスに変更された楽曲があったりと、コレクター心をくすぐる様々なバリエーションが存在します。中でも、初期リリース盤とリマスター盤では収録時間が異なる楽曲があり、特に「エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ラヴ」の長尺バージョンはレアトラックとして人気を博しています。

『ザ・ローリング・ストーンズ・ナウ！』は商業的にも大きな成功を収め、全米ビルボードチャートで5位にランクイン、ゴールドディスクを獲得しました。その人気は現在も衰えることなく、2002年にはSACDとのハイブリッドCDとして、2006年には紙ジャケット仕様で再発売されるなど、長年にわたって多くの音楽ファンに愛され続けています。『ローリングストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』において180位にランクインするなど、その評価は高く、ロック史における重要な作品として位置づけられています。

楽曲の選曲、演奏、そしてその時代背景を考えると、『ザ・ローリング・ストーンズ・ナウ！』は、ローリング・ストーンズがアメリカにおいて、世界的なロックバンドとしての地位を確立した瞬間を凝縮した一枚と言えるでしょう。アルバムに収録されている楽曲一つ一つは、彼らの音楽性、才能、そして時代を反映したものであり、聴く者の心を掴んで離しません。

収録曲（抜粋）

エヴリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ラヴ: ソロモン・バークらの楽曲のカヴァー。初期ストーンズの代表曲の一つ。
ハート・オブ・ストーン: ジャガー/リチャーズ作のオリジナル曲。アメリカでシングルカットされ、ヒットを記録した。
リトル・レッド・ルースター: ウィリー・ディクソンの楽曲のカヴァー。ストーンズらしいブルージーなアレンジが魅力。
ダウン・ホーム・ガール: ジェリー・リーバーとアーサー・バトラーの楽曲のカヴァー。ストーンズのグルーヴ感溢れる演奏が光る。

参加ミュージシャン

このアルバムでは、ローリング・ストーンズのメンバーに加え、イアン・スチュワートやジャック・ニッチェといったゲストミュージシャンも参加しています。彼らの演奏もアルバムの完成度を高めています。

『ザ・ローリング・ストーンズ・ナウ！』は、ローリング・ストーンズの歴史において重要な作品であり、彼らの音楽性を理解する上で必聴のアルバムです。様々なバージョンが存在することからも、その人気と歴史的価値の高さが伺えます。 このアルバムを通して、ローリング・ストーンズの音楽的魅力を改めて感じることができるでしょう。

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