シアトル・クラーケン

シアトル・クラーケン (Seattle Kraken)

シアトル・クラーケンは、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルを拠点とする、ナショナルホッケーリーグ（NHL）に加盟するプロアイスホッケーのフランチャイズです。2024年にユタ・ホッケークラブが加わるまで、このチームはNHLおよび北米の主要4大プロスポーツリーグにおいて最新参のクラブでした。

チーム名の由来

チームの名称である「クラーケン」は、本拠地のあるピュージェット湾に生息するミズダコをモチーフとし、北欧の神話に登場する巨大な海の怪物「クラーケン」のイメージを重ね合わせて命名されました。この名は、地元ワシントンの海の生態系と、力強い伝説上の存在を結びつけたものです。

チーム設立の経緯

シアトルへのNHLチーム誘致は、2018年12月にNHLが「シアトルホッケーパートナーズ」による拡張計画を承認したことから本格的に動き出しました。その後、2020年7月にチーム名が正式に発表されました。チームは、シアトル市内の「クライメット・プレッジ・アリーナ」をホームリンクとして使用しています。このアリーナは、かつて「キーアリーナ」として知られていました。NHL参入にあたり、シアトル・クラーケンはウェスタン・カンファレンスのパシフィック・ディビジョンに組み込まれることになりました。

シアトル・クラーケンのリーグ参入は、NHL全体の編成にも影響を与えました。各ディビジョンのチーム数を均衡させるため、それまでパシフィック・ディビジョンに所属していたアリゾナ・コヨーテズが、2021-22シーズンからセントラル・ディビジョンへ移動することになりました。これにより、NHLは合計32チームとなり、4つのディビジョンそれぞれに8チームが配属される体制が確立されました。

NHL参入と初期の戦績

チームは、2021年7月21日に開催されたエクスパンションドラフトを経て選手を獲得し、2021-22シーズンからNHLでの競技を開始しました。記念すべき初年度シーズンは、27勝49敗、そして延長戦での敗戦が6という成績に終わり、所属する地区の最下位という結果でした。

しかし、NHL参入2年目となる2022-23シーズンには、大きな躍進を見せました。このシーズンは46勝28敗、延長戦での敗戦が8という記録を残し、レギュラーシーズンを終えて初のプレーオフ進出を決めました。ウェスタン・カンファレンスにおいて第7シードとしてポストシーズンに進出したクラーケンは、プレーオフ1回戦で、前年度のスタンレーカップ覇者である強豪コロラド・アバランチと対戦しました。このシリーズを4勝3敗という粘り強い戦いの末に制し、大きな番狂わせを演じました。続く2回戦ではダラス・スターズと対戦しましたが、こちらは3勝4敗で惜しくも敗れ、スタンレーカップへの挑戦は幕を閉じました。

シアトル・クラーケンは、比較的短い歴史の中で、設立からリーグ参入、そして早期のプレーオフ進出とその中での強豪撃破という、印象的な歩みを見せています。

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