シウダー・レアル県

シウダー・レアル県について

シウダー・レアル県は、スペインの中央部に位置するカスティーリャ＝ラ・マンチャ州に属する県です。県都はシウダー・レアルであり、この地域は多様な地理的特徴と歴史的な背景を持っています。

地理

シウダー・レアル県は、スペイン内陸部に位置し、複数の州と国境を接しています。具体的には、北にクエンカ県、アルバセテ県、トレド県、南にハエン県、コルドバ県、西にはポルトガルとの国境を持つバダホス県と接しています。内陸性の気候であり、比較的乾燥した地域です。県内には、プエルトジャーノ太陽熱発電所が設置されており、再生可能エネルギーの活用も進んでいます。

また、過去の火山活動の痕跡が多く見られ、水銀の主要産地の一つであるアルマデンも県内にあります。この特異な地質学的特徴が評価され、2024年にはユネスコ世界ジオパークに指定されました。

1985年には、カスティーリャ＝ラ・マンチャ州唯一の大学であるカスティーリャ＝ラ・マンチャ大学が開学し、本部がシウダー・レアルに置かれ、地域の高等教育の中心となっています。

歴史

1833年のスペイン地方行政区分再編において、シウダー・レアル県はスペイン全土に設置された49の県の一つとして誕生しました。この際、県都はシウダー・レアルに定められました。シウダー・レアル県は、マドリード県など他の4県と共に「歴史的地域」のカスティーリャ・ラ・ヌエバ地域にまとめられましたが、この地域には行政的な権限や機関は存在しませんでした。

1939年から1975年のフランコ独裁体制を経て、スペインの民主化移行期には、全国に17の自治州が設置されました。1982年8月10日には、シウダー・レアル県など5県からなるカスティーリャ＝ラ・マンチャ州が発足しました。この歴史的な変遷を経て、現在のシウダー・レアル県が形成されています。

交通

高速鉄道

県都シウダー・レアルには、スペインの首都マドリードから高速鉄道AVEが直通しています。この路線はプエルトジャーノを経由して、コルドバ県の州都コルドバまでを結んでいます。コルドバを経由することで、スペイン南部への鉄道網へのアクセスが容易になり、マドリードを経由すればスペイン北部へのアクセスが可能です。

一般の鉄道

シウダー・レアルからは、ダイミエルなどを経由してマンサナーレスに至る鉄道路線があります。マンサナーレスからは、南に向かう路線でバルデペーニャスなどにアクセスできます。また、マンサナーレスから北へ向かう路線はアルカサル・デ・サン・フアンに達し、そこからはアルバセテ方面へ向かうことができ、スペイン南東部の鉄道網に接続できます。プエルトジャーノからは、スペイン西部のバダホス方面へ向かう鉄道路線も存在します。これらの鉄道網により、県内の移動だけでなく、スペイン各地へのアクセスも容易です。

行政区画

シウダー・レアル県には100のムニシピオ（基礎自治体）があり、県都シウダー・レアルは、県全体の人口の約7分の1を有しています。

司法管轄区

県内は10の司法管轄区に分かれており、それぞれに中心となる自治体があります。

アルカサル・デ・サン・フアン司法管轄区：アルカサル・デ・サン・フアン、アレナーレス・デ・サン・グレゴリオなど
シウダー・レアル司法管轄区：シウダー・レアル、アルコーバ、アローバ・デ・ロス・モンテスなど
ダイミエル司法管轄区：ダイミエル、アレーナス・デ・サン・フアンなど
マンサナーレス司法管轄区：マンサナーレス、メンブリージャなど
バルデペーニャス司法管轄区：バルデペーニャス、アルムラディエルなど
ビジャヌエバ・デ・ロス・インファンテス司法管轄区：ビジャヌエバ・デ・ロス・インファンテス、アルクビージャスなど
プエルトジャーノ司法管轄区：プエルトジャーノ、アルモドーバル・デル・カンポなど
トメジョーソ司法管轄区：トメジョーソ、アルデア・デ・ルイデーラなど
アルマグロ司法管轄区：アルマグロ、ボラーニョス・デ・カラトラーバなど
アルマデン司法管轄区：アルマデン、アグードなど

これらの司法管轄区は、地域の行政と司法を支える上で重要な役割を担っています。

政治

シウダー・レアル県は、上院に4議席、下院に5議席、そして自治州議会に12議席を有しています。2008年の総選挙の結果では、上院で国民党（PP）とスペイン社会労働党（PSOE）がそれぞれ2議席、下院では国民党が3議席、スペイン社会労働党が2議席を占めています。自治州議会では、国民党とスペイン社会労働党がそれぞれ6議席を分け合っています。

関連項目

* ラ・マンチャ

外部リンク

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