シェリダン郡 (モンタナ州)

シェリダン郡

シェリダン郡（英: Sheridan County）は、アメリカ合衆国モンタナ州の最も北東部に位置する郡です。その領域は、広大なプレーリーと自然景観に彩られています。

歴史と名称の由来

シェリダン郡は、比較的に歴史の新しい郡として知られています。1913年、モンタナ州議会の決定に基づき、それまで存在していたドーソン郡とバレー郡の一部が分離され、新たな郡として設立されました。郡名の由来は、南北戦争において北軍を率いた功績のある将軍、フィリップ・シェリダン（Philip Sheridan）にちなんで名付けられたものです。

郡の行政の中心地である郡庁所在地は、プレンティウッド市（Plentywood）に置かれています。プレンティウッド市は、郡内において最も人口が多い自治体でもあります。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局のデータによれば、シェリダン郡の総面積は広大で、約1,706平方マイル（約4,419平方キロメートル）に及びます。このうち、大部分を占める約1,677平方マイル（約4,342平方キロメートル）が陸地であり、残りの約30平方マイル（約77平方キロメートル）は湖や河川といった水域が占めており、その割合は約1.74パーセントです。

郡内を通る主要な高規格道路としては、モンタナ州道16号線およびモンタナ州道5号線があり、地域の交通網の骨格をなしています。

シェリダン郡は、東西南北を様々な隣接地域に囲まれています。西側はダニエルズ郡に、南側はルーズベルト郡に接しています。東側では、モンタナ州の境界を越え、ノースダコタ州のウィリアムズ郡およびディバイド郡と隣接しています。

特に注目すべきは、郡の北側がカナダとの国境となっている点です。カナダ側では、サスカチュワン州に属するいくつかの地方行政区画（Rural Municipality, RM）と隣り合っており、具体的にはハッピーバレー10号（RM of Happy Valley No. 10）、サプライズバレー9号（RM of Surprise Valley No. 9）、レイクアルマ8号（RM of Lake Alma No. 8）と国境を接しています。これは、シェリダン郡が国境地帯特有の地理的・文化的特徴を持つ一因となっています。

人口動態

シェリダン郡の人口は、近年減少傾向にあります。2000年の国勢調査時点では4,105人の住民が暮らしていましたが、2010年の国勢調査では3,384人に減少しました。これは10年間で約17.6パーセントの大幅な減少を示しており、地域の社会経済的な変化を反映していると考えられます。

郡庁所在地のプレンティウッド市は、2010年時点で1,734人の人口を擁し、郡内の人口の約半分を占めています。

主な集落

シェリダン郡内には、いくつかの都市や町、そして国勢調査指定地域（CDP）が点在しています。

都市: プレンティウッド (Plentywood) - 郡庁所在地であり、郡内最大の都市です。
町: メディシンレイク (Medicine Lake)、アウトルック (Outlook)、ウェストビー (Westby)
* 国勢調査指定地域 (CDP): アンテロープ (Antelope)、リザーブ (Reserve)、ダグマー (Dagmar)

また、かつては人が住み栄えていたものの、現在はほぼ無人となったゴーストタウンも複数存在します。例えば、カマータウン (Comertown)、ドゥーリー (Dooley)、コールリッジ (Coleridge)などがこれにあたります。これらの集落の存在は、この地域の歴史的な移り変わりや、経済状況の変化を物語っています。

自然保護地域

シェリダン郡の自然環境は豊かで、その一部は保護されています。広大なメディシン湖国立野生生物保護区（Medicine Lake National Wildlife Refuge）が郡域内に含まれており、渡り鳥をはじめとする様々な野生動物の重要な生息地および繁殖地となっています。この保護区は、郡の自然景観の重要な要素の一つです。

シェリダン郡は、モンタナ州の最果てに位置し、カナダとの国境に面するという特別な地理的条件、そして開拓時代から現代に至るまでの人口や集落の変遷など、多様な側面を持つ地域と言えるでしょう。

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