シェリフズスター

シェリフズスター：栄光と影の競走馬人生

シェリフズスターは、イギリスで生まれ育ったサラブレッドの競走馬である。その華麗なる競走生活と、引退後の数奇な運命は、多くの競馬ファンを魅了し続けている。

華々しいデビューとクラシックへの挑戦

1987年、シェリフズスターはデビュー戦を鮮やかに制し、2連勝でフューチュリティステークス（当時G2）に出走。2着と好成績を収め、翌年のクラシック戦線での活躍が期待される存在となった。しかし、ダービーステークスでは6着、セントレジャーステークスでも3着と、クラシックタイトル獲得には至らなかった。

G1制覇と欧州での活躍

3歳シーズンを終え、4歳となったシェリフズスターは、ジョッキークラブステークスで4着と敗れたものの、続くコロネーションカップでG1初制覇。さらに、サンクルー大賞も制覇し、実力を証明した。その後もキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスで4着、オイロパ賞で3着と、国際的な舞台で活躍を見せる。ジャパンカップへの参戦も予定されていたが、残念ながら故障により叶わなかった。

種牡馬としての期待と挫折

日本での種牡馬入りが決まり、シェリフズスターは西山牧場へ。多くの良質な繁殖牝馬に恵まれ、初年度から4年間で約200頭に種付けを行うなど、大きな期待を寄せられていた。しかし、産駒の活躍は期待を下回り、西山牧場は経営難から多くの馬を売却。シェリフズスターもその例外ではなく、牧場を去ることとなった。

セイウンスカイの誕生と謎めいた最期

シェリフズスターが西山牧場で残した産駒の中で、保田一隆厩舎に預けられた1頭が、後に二冠馬となるセイウンスカイだった。セイウンスカイの活躍、そして同じくシェリフズスター産駒であるセイウンエリアのオープン級での活躍は、シェリフズスターにとって大きな慰めとなっただろう。しかし、シェリフズスター自身のその後については、長らく不明なままであった。売却後、屠殺されたという噂も流れた。

2005年になってようやく、競馬情報誌『サラブレ』によってその最期が明らかになった。種牡馬引退後も有志によってある育成牧場で繋養され、草競馬への出走を目指して調教されていたが、体力的限界に達し、死亡したというのだ。牧場関係者は「静かに余生をすごさせたい」と、その存在を隠していた理由を語った。一方で、別の証言によると、シェリフズスターはファンによって草競馬への出走を目的に調教中、心不全で亡くなったという。さらには、セイウンスカイがジュニアカップを制した1998年1月25日時点で既に死亡していたという西山茂行の証言もある。

血統と伝説

シェリフズスターの父は、日本への輸入後に事故で供用できなくなったポッセ。半兄には、セントレジャーステークスとサンクルー大賞を制し、日本でも種牡馬として活躍したムーンマッドネスがいる。シェリフズスターは、その輝かしい現役時代、そしてセイウンスカイという偉大な産駒を残したことで、競馬史にその名を刻んだ。その生涯は、栄光と挫折、謎に満ちた物語として、今も語り継がれている。

主な産駒

セイウンスカイ（皐月賞、菊花賞、京都大賞典、日経賞、札幌記念）
セイウンエリア（メトロポリタンステークス）

シェリフズスターの生涯は、競走馬としての成功と種牡馬としての苦悩、そして謎めいた最期という、ドラマチックな物語である。その功績は、今も競馬ファンの記憶に深く刻まれている。

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