シェリー・カーリー

1959年11月30日生まれ、アメリカ合衆国出身の歌手、ミュージシャン、女優です。特に、1970年代中盤から後半にかけて活動したロサンゼルスのハードロックバンド、ザ・ランナウェイズのリード・ボーカリストとしての活動で広く知られています。日本では「チェリー・カーリー」という表記が用いられることもあります。

ロックバンド「ザ・ランナウェイズ」での成功

カリフォルニア州サンフェルナンド・バレーのエンシーノで育ったシェリー・カーリーは、10代にして、伝説的なガールズロックバンド、ザ・ランナウェイズにリード・ボーカリストとして加入しました。バンドには、後にソロアーティストとしても成功を収めるジョーン・ジェットやリタ・フォードをはじめ、サンディ・ウェスト、ジャッキー・フォックスといった才能あふれるメンバーが名を連ねていました。彼女がランナウェイズに加わったのは1975年、16歳の誕生日の少し前のことでした。バンドの代名詞ともいえる代表曲「チェリー・ボム」は、彼女のオーディションのために特別に書かれた楽曲と伝えられています。

ザ・ランナウェイズとして、彼らは『悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン』、『クイーンズ・オブ・ノイズ』、そして熱狂的な日本でのライブを収録した『ライヴ・イン・ジャパン』という3枚のアルバムをリリースし、世界的な成功を収めました。これらの活動の後、シェリー・カーリーはグループを脱退することを決めました。

ソロ活動と女優としてのキャリア

ランナウェイズ脱退後、シェリー・カーリーはソロアーティストとしての道を歩み始めました。ポリグラムからソロアルバム『ビューティーズ・オンリー・スキン・ディープ』を発表。また、双子の姉妹であるマリー・カーリーと共に、キャピトル・レコードから『シェリー&マリー (Messin' With The Boys)』をリリースするなど、音楽活動を継続しました。

音楽活動と並行して、彼女は女優としても精力的に活動しました。ジョディ・フォスターと共演した『フォクシー・レディ』や、『悪魔の寄生虫・パラサイト』、『SFザ・ウェーブ/地球外生物からのSOS!』など、様々な映画やテレビドラマに出演し、女優としてのキャリアも確立していきました。

自叙伝と映画化された半生

シェリー・カーリーは、自らの波乱に満ちた半生を綴った自叙伝『Neon Angel: The Cherie Currie Story』を共同で執筆しました。この本には、1970年代のカリフォルニアでの厳しい青春時代、薬物やアルコールとの闘い、そしてザ・ランナウェイズでの経験といった、彼女の率直な体験が記されています。この自叙伝は、2010年に公開され、批評的にも成功を収めた映画『ランナウェイズ』の原作となりました。映画では、ダコタ・ファニングがシェリー・カーリー役を、クリステン・スチュワートがジョーン・ジェット役を演じ、バンドの短いながらも強烈な軌跡が描かれました。

また、彼女はCarrie Borzillo-Vrennaによる2008年の著書『Cherry Bomb』にも関連しています。

私生活

シェリー・カーリーは1990年に俳優のロバート・ヘイズと結婚し、一人息子をもうけましたが、1997年に離婚しています。彼女の家族には、元女優の実母マリー・ハーモン、主にテレビで活躍する女優の実姉ソンドラ・カーリー、そしてソンドラの夫で映画監督のアラン・J・レヴィがいます。

主なディスコグラフィ

以下にシェリー・カーリーが参加した主な音楽作品を挙げます。

スタジオ・アルバム

- 『ビューティーズ・オンリー・スキン・ディープ』 (Beauty's Only Skin Deep, 1978年)
- 『シェリー&マリー』 (Messin' with the Boys, 1980年) - with マリー・カーリー
- Reverie (2015年)
- Blvds of Splendor (2019年) - with ブリー・ダーリング
- The Motivator (2019年) - with ブリー・ダーリング

ライブ・アルバム

- Live in Los Angeles 8/30/13 (2013年)
- Midnight Music in London (2016年)

EP

- Cherry Bomb (2007年)

コンピレーション・アルバム

- Young and Wild (1998年) - with マリー・カーリー
- 80's Collection (1999年) - with マリー・カーリー

ザ・ランナウェイズ名義

- 『悩殺爆弾〜禁断のロックン・ロール・クイーン』 (The Runaways, 1976年)
- 『クイーンズ・オブ・ノイズ』 (Queens Of Noise, 1977年)
- 『ライヴ・イン・ジャパン』 (Live in Japan, 1978年) - ライブ盤

もう一度検索