シェー教の崩壊

シェー教の崩壊

赤塚不二夫が手がけた短編漫画『シェー教の崩壊』は、1996年1月号の『ビッグゴールド』に掲載されました。これは、赤塚氏の漫画家生活40周年を祝う形で懐かしい仲間たちが結集して制作した作品であり、特に彼の黄金期を支えた高井研一郎が発起人となり、約30名のアシスタント達が参加しました。しかし、長年のパートナーである長谷邦夫には声がかからなかったという点も興味深く、様々な思惑が絡んでいたことが伺えます。

製作には北見けんいちが毎年開催する新年会の際に使われる、日本旅館「ホテル山楽」が利用され、さまざまな交流が行われたと言われています。この作品は、地下鉄サリン事件で知られるオウム真理教をホモにし、宗教団体シェー教を舞台にした滑稽でブラックなストーリーを展開しています。

ストーリーの概要

物語は、イヤミが教祖として君臨するシェー教を中心に展開します。彼は王様の娘を誘拐し、その身代金を元手に全日本シェティアン（サティアンのパロディ）を設立します。イヤミは伊矢見アショコという名で教祖としての活動を開始。彼の指揮のもと、六つ子たちはお布施の回収任務に従事していますが、そのやり方は強引で、まるで追い剥ぎのようです。

その中で、食料大臣のチビ太が無断でおでんを食べている現場を目撃した六つ子は、チビ太を襲い彼のおでんをお布施として回収するというドタバタ劇を繰り広げます。このユーモラスで風刺の効いたストーリーは、赤塚不二夫の独特なタッチが光るものとなっています。

登場キャラクター

『おそ松くん』の主要キャラクターであるイヤミや六つ子、チビ太に加え、他の赤塚作品からも多数のキャラクターが顔を揃えます。例えば、『天才バカボン』からはバカボンのパパやレレレのおじさん、『もーれつア太郎』からはア太郎やニャロメなど、個性豊かなキャラクターたちが共演しています。

このように、シリーズを代表するキャラクターたちが一堂に会することで、懐かしさや新しさが交錯し、ファンを魅了しています。

制作ドキュメンタリー

また、制作過程を記録したテレビドキュメンタリー『赤塚不二夫とトンデモない仲間達!!』が1995年12月30日に放送され、ナレーションはタモリが担当しました。このドキュメンタリーは、本作の原画と共に青梅赤塚不二夫会館で上映されるなど、作品への理解を深める手助けとなっています。

多彩な出演者が集うこのドキュメンタリーは、赤塚氏の人間性や彼の作品に寄せる思いを知る貴重な機会となっています。特に、かつての仲間や著名人が赤塚氏について語るシーンは、彼の影響力の大きさを物語っています。

単行本収録情報

『シェー教の崩壊』は、赤塚不二夫漫画大全集 DVD-ROMの268巻「1990年代」に収録されており、貴重な資料としても扱われています。漫画の魅力は変わらず、多くの方に愛され続けています。赤塚不二夫のファンにとって、これは絶対に見逃せない一作と言えるでしょう。

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