ビッグゴールド

ビッグゴールド：華麗なる作家陣と波乱の雑誌史

『ビッグゴールド』は、小学館が発行していた青年漫画雑誌です。1978年6月8日、『ビッグコミック』の増刊誌として誕生しました。派生誌としては『ビッグコミックオリジナル』に次ぐ2冊目となり、B5サイズで、表紙には小学館のマスコットキャラクターであるナマズが大きくデザインされたシンプルな誌面が特徴でした。

当初から石ノ森章太郎、赤塚不二夫、松本零士といったそうそうたる漫画家たちが作品を発表。年齢層は『ビッグコミック』とほぼ変わらず、高い人気を博しました。連載作品には松本零士の『無限海漂流記』、石ノ森章太郎の『沙流譚 -漢書-』、さいとう・たかをの『実録第二次世界大戦』など、話題作が多数掲載されました。読み切り作品にも、手塚治虫、ちばてつや、白土三平といった巨匠たちの作品が名を連ね、まさに豪華なラインナップと言えるでしょう。

しかし、1985年7月18日、12号をもって『ビッグゴールド』は一度休刊となります。

復活と再休刊：新たな挑戦と時代の変化

それから7年後の1992年12月17日、『ビッグゴールド』は月刊誌として復活を遂げます。誌面サイズはA4へと変更され、表紙イラストは藤井啓氏（後にたむらしげる氏）が担当しました。『ビッグコミック』の増刊誌という位置づけから、1995年1月号で独立創刊へと移行しました。

復活後の『ビッグゴールド』は、横山光輝の『史記』や松本零士の『銀河鉄道999』の続編など、話題性のある作品を掲載。水島新司の『平成野球草子』、里中満智子の『アトンの娘』、水木しげるの『不思議電車』など、多彩な作品が読者を魅了しました。さらに、多くの読者から支持を得た連載作品や、豪華執筆陣による読み切り作品も掲載され、再び注目を集めました。しかし、1999年3月、再び休刊という決断が下されました。

掲載作品一覧：多様なジャンルと豪華作家陣

創刊時（1978年～1985年）：

連載
無限海漂流記（松本零士）
沙流譚 -漢書-（石森章太郎）
芥川龍之介の世界（小島功）
実録第二次世界大戦（さいとう・たかを）
釣魚迷が奔る!!（矢口高雄）
一葉裏日誌（上村一夫）
おおまん（長谷川法世）
空港（石ノ森章太郎）
ナンセンス劇場（黒鉄ヒロシ）

読み切り（一部抜粋）
過去からの声（作：手塚治虫、画：さいとう・たかを）
街角のアンナ（里中満智子）
ラドン（西岸良平）
火の山（手塚治虫）
課題競作（ポスト）（赤塚不二夫、さいとう・たかを、里中満智子、花村えい子）
ドストエフスキーの犬（ジョージ秋山）
銀杏の家（詩：吉原幸子、画：上村一夫）
パラレル同窓会（藤子不二雄）
魚石（つげ義春）
七つ桶の岩（白土三平）…など多数

復活後（1992年～1999年）：

連載（一部抜粋）
平成野球草子（水島新司）
アトンの娘（里中満智子）
ケースハード（松本零士）
史記（横山光輝）
銀河鉄道999（松本零士）
妖怪変化シリーズ（水木しげる）
猿飛佐助（石ノ森章太郎）
宮本武蔵（石ノ森章太郎）
野性伝説/爪王（作：戸川幸夫、画：矢口高雄）…など多数

読み切り（一部抜粋）
もしも（楳図かずお）
古代エジプトに魅せられて（作：吉村作治、画：里中満智子）
テニス事始め（ちばてつや）
トキワ荘物語（赤塚不二夫）
* 超時空戦艦まほろば（松本零士）…など多数

単行本レーベル

『ビッグゴールド』の作品は『ビッグゴールドコミックス』と『ビッグコミックスゴールド』の2つのレーベルから単行本が刊行されました。ただし、これは復活後の作品が中心で、創刊時の作品は他のレーベルから刊行されている場合が多いです。

まとめ

『ビッグゴールド』は、豪華な作家陣と個性的な作品群で彩られた、短命ながら記憶に残る青年漫画雑誌でした。その歴史は、時代の変化と漫画業界の動向を反映しており、漫画史における重要な一ページを刻んでいます。

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