シエン・カラス

シエン・カラスの経歴と業績

シエン・カラス（Cien Caras）、本名カーメロ・レイエス・ゴンザレスは、1949年にメキシコのハリスコ州ラゴス・デ・モレノで生まれた元プロレスラーです。彼のプロレスキャリアは1974年にアメリカ合衆国で始まり、以降、卓越した技術とカリスマ性で知られる選手となりました。特に彼は、「百の顔」を意味するリングネームで呼ばれるようになり、これが彼の独自性を象徴するものとなりました。

カラスはディアブロ・ベラスコやパンテーラ・ネグラの指導を受け、ロサンゼルスでデビューしました。初期には「サンソン」という名でリングに立ち、その後「ミル・カラス」として活動を重ねましたが、最終的にシエン・カラスに改名しました。特に1976年には新日本プロレスに来日し、日本のレスリング界に名を刻む機会を得ました。

日本では、坂口征二やストロング小林といったトップレスラーたちとのシングルマッチも行い、多くのファンの記憶にも残っています。さらに、アメリカでも活動を続け、1977年にはNWAアメリカス・タッグ王座を獲得しました。この年、彼はホセ・ロザリオとともにNWAテキサス・タッグ王座を奪取するなど、いくつかの成功を収めました。

1980年に帰国後、カラスはEMLLで活動し、1980年にはナショナル・ヘビー級王座を獲得。1984年にはルードスタイルに転向し、さらなる人気を博することになります。1987年6月にはNWA世界ライトヘビー級王座を手に入れ、その名声を高めました。1990年にはアレナ・メヒコで行われたコンtra・マッチで苦杯を喫し、一時は素顔に戻ることもありました。

カラスは1990年代にCMLLでコナン・エル・バルバロとの抗争を展開し、1991年にはCMLL世界ヘビー級王座を獲得。この頃は弟たちとともに「ロス・エルマノス・ディナミタ」というトリオチームを結成し、多くのタイトルを保持しました。また、1992年にアントニオ・ペーニャが主宰するAAAの旗揚げに参加し、再びコナンとの抗争が勃発しました。彼らの激闘はレスリング界に新たな流れを生み出しました。

1997年にCMLLに復帰し、引退後もインディ団体で活動を続けたシエン・カラスは、そのキャリアの中で数多くのタイトルを獲得しています。特にNWAアメリカス・タッグ王座、NWA世界ライトヘビー級王座、CMLL世界ヘビー級王座など、数多くの栄誉に輝いています。技の面でも、フライング・ヘッドバットやフルネルソン、スタンプ・ホールドなど、さまざまな技を駆使し、観客を魅了しました。

カラスはその卓越したレスリング技術、独特のキャラクターとスタイルで、多くのファンに支持され、メキシコプロレス界のレジェンドの一人となりました。その影響力と業績は今もなお、レスリングファンの間で語り継がれています。

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