シオデ

シオデ（牛尾菜）とは

シオデ（学名: Smilax riparia）は、ユリ科またはサルトリイバラ科に分類される多年草の植物です。山菜として広く親しまれており、地域によってはシデコ、ソデコ、ヒデコ、ショデなど様々な名前で呼ばれています。

近縁種には一回り小さいタチシオデ（立牛尾菜）がありますが、山菜採りの際には区別されずに採取されることも少なくありません。

名称の由来

シオデの名称は、アイヌ語の「シュウオンテ」に由来するとされています。

特徴と分布

シオデは日本全国（タチシオデは北海道を除く）に分布しており、海抜1000メートルまでの山地で見られます。葉の根元から伸びる巻きひげで木に絡みつきながら成長します。

食用とするのは、蔓状に伸びる前の若芽で、太くて長いものが珍重されます。採取時期は初夏が最適です。その風味から「和製アスパラガス」、「野生のアスパラガス」、「山アスパラガス」などとも呼ばれ、アスパラガスと同様にマヨネーズ和えをはじめ、茹でておひたしやゴマ和え、天ぷら、油炒めなど、様々な調理法で楽しまれています。

特に長野県で採取されたシオデの新芽は、皇室への献上品としても知られています。

夏には小さな緑色の花を咲かせ、雌雄異株です。秋には約1センチほどの液果が黒色に熟します。

食用

シオデは山菜として楽しまれており、独特の風味と食感が特徴です。

調理方法としては、以下のようなものがあります。

おひたし: 茹でたシオデを冷水にさらし、醤油やポン酢でいただきます。
和え物: ゴマ和えや酢味噌和えなど、様々な味付けで楽しめます。
天ぷら: サクサクとした食感が楽しめます。
炒め物: 油との相性が良く、風味が増します。
マヨネーズ和え: アスパラガスのような感覚で味わえます。

民謡との関わり

シオデを採取する際の仕事歌が、民謡として伝わっている地域もあります。

ヒデコ節

秋田県では、シオデがショデ、ヒデと訛り、秋田弁独特の「コ」がついて「ヒデコ」と呼ばれています。元々は『草刈りひでこ』と呼ばれていたようです。

しょんでこ節、しょうんでこい節

山形県村山地方には、「しょんでこ節」または「しょうんでこい節」という民謡があります。

関連項目

シオデ属

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