シカゴ (CA-29)

シカゴ（USS Chicago, CL/CA-29）

シカゴはアメリカ海軍の重巡洋艦で、ノーザンプトン級の4番艦として1931年に就役しました。その名前はイリノイ州の都市シカゴに由来し、同名の艦は二隻目となります。第二次世界大戦中、シカゴは唯一水上艦および潜水艦からの攻撃ではなく、航空機による攻撃で失われた艦船として知られています。

艦歴の概要

シカゴは1928年にメア・アイランド海軍造船所で起工され、1931年3月に就役しました。その後、様々な演習や任務を経験しながら、アメリカ海軍の偵察艦隊の旗艦として活動を行いました。大戦前、シカゴは真珠湾を拠点にして様々な巡航訓練や作戦に参与し、1941年の真珠湾攻撃時には第12任務部隊の旗艦として展開していました。

太平洋戦争の緒戦

真珠湾攻撃後、シカゴは南太平洋に進出し、スバ湾からガダルカナル島への上陸作戦を支持しました。1942年5月の珊瑚海海戦では、日本軍による空からの攻撃を受け、部隊の一員として行動しました。また、海戦後の5月31日には、シドニー港にて日本の特殊潜航艇による奇襲を受けましたが、幸いにも被害はありませんでした。

ガダルカナル島での活躍

1942年8月、シカゴはガダルカナル島の戦闘に参加しました。この戦闘では、連合軍の上陸部隊を支援する一方で、日本軍の攻撃を受けつつも、対空砲火での防衛や艦隊の指揮を執り、上陸作戦の成功に寄与しました。特に、シカゴは攻撃機の爆撃を避ける技術を示し、被害を最小限に抑えることができました。

最期の戦闘

1943年に入ると、シカゴは再び戦場に出ましたが、1943年1月29日のレンネル島沖海戦で重大な被害を受けます。この戦闘では、日本軍の航空機による攻撃で複数の魚雷が命中し、艦は航行不能となりました。最終的には、艦の残骸は南太平洋の海底に沈み、シカゴは沈没しました。

遺産と名声

シカゴは、第二次世界大戦中の貢献により、3個の従軍星章を受賞しています。この艦は、アメリカ海軍における航空機攻撃の脅威を再認識させる存在となり、その歴史的意義は現在も語り継がれています。

シカゴの歴史は、艦船という物理的存在を超え、米海軍の戦略や技術の進化、また大東亜戦争における戦闘の複雑さを代表する象徴的なものとなっています。

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