シカゴ・トリビューン

シカゴ・トリビューンの歴史と影響力

シカゴ・トリビューン（The Chicago Tribune）は、1847年に創刊されたアメリカ中西部の代表的な新聞です。その名は「シカゴの護民官」という意味を持ち、自らを"World's Greatest Newspaper"と称しています。本稿では、この新聞の歴史や社会に与えた影響について詳述していきます。

創刊と初期の姿

シカゴ・トリビューンは、当初はノー・ナッシング運動に連動して外国人排斥に関する内容が多く、特に定住外国人やカトリック教徒に対して批判的でした。しかし、創刊8年後、ジョゼフ・メディルを中心とした6人の投資家が新聞を買収し、当初の恐怖感を煽る内容は減少していきます。

さらにメディルは禁酒運動に注力し、シカゴ市長ともなったことから、プロテスタントの影響を受けた報道スタイルが確立されていきました。彼はアメリカ南北戦争時には以上に奴隷解放政策を支持し、リンカーン大統領を強く後押しします。この影響により、シカゴ・トリビューンは共和党の政策に対する強い発信源となりました。

重要な歴史的出来事

1930年代には、禁酒法に絡むギャングの台頭を受けて、有名なマフィアのアル・カポネらを「民衆の敵」として記事に取り上げるなど監視の目を光らせていました。

特に1947年、印刷業者のストライキに際し、シカゴ・トリビューンは独自の印刷手法を採用し、事前に世論調査を基に記事を執筆しました。この結果、1948年の大統領選挙において誤報を出す事態となり、トルーマン大統領を破るとした見込み記事で評判となります。この出来事は、新聞社やメディアの信頼性についての議論を喚起しました。

その後も、シカゴ・トリビューンは共和党寄りではあるものの、多様な意見を反映するよう試みを重ね、情報発信の重要な役割を果たしています。

組織と影響力

シカゴ・トリビューンを運営するトリビューン・コーポレーションは、ロサンゼルス・タイムズやボルティモア・サンを含む多くの新聞を傘下に持つほか、野球チームのシカゴ・カブスや約20の地方テレビ局も抱えています。また、ニューヨークデイリーニュースとの提携を通じて、全国の報道にも力を入れています。

しかし、2008年には経済危機の影響を受け、約130億ドルの債務の返済が困難になり、連邦倒産法11章の適用を申請する事態に陥るなどの困難も経験しました。

現在のシカゴ・トリビューン

シカゴ・トリビューンにとっての象徴的な建物である「シカゴ・トリビューンタワー」は1925年からその本社として利用されています。このタワーはゴシック様式で設計されたもので、シカゴのスカイラインの一部として広く知られています。

以上のように、シカゴ・トリビューンは創刊以来、歴史的な瞬間や様々な社会運動に対して影響を及ぼし続けています。その成果や教訓は、今後の報道活動やメディアの発展においても重要な参考となるでしょう。

もう一度検索