シカゴ16

アルバム『シカゴ16』の詳細

『シカゴ16』は、アメリカのロックバンドシカゴが1982年6月7日にリリースしたスタジオアルバムです。このアルバムは、シカゴにとって13枚目のスタジオアルバムであり、デイヴィッド・フォスターが初めてプロデュースを担当しました。この作品は、正式な邦題として「ラヴ・ミー・トゥモロウ（シカゴ16）」という名称でも知られています。

背景

本作は、シカゴがコロムビア・レコードとの契約を終え、ワーナー・ブラザーズと10年間の新たな契約を結んでからリリースされた最初のアルバムです。このアルバムはシカゴの新しい時代の幕開けを告げるものであり、過去の成功を乗り越え、商業的成功を収める重要な作品とされています。特に、1978年にテリー・キャスが亡くなった後の『ホット・ストリート』以降、シカゴが真にヒットを記録したアルバムとなりました。

1980年に前作『シカゴ14』を発表して以降、メンバーは自らの音楽的な魅力が低下していることに気づきます。そのため、サンズ・オヴ・チャンプリンのオリジナルメンバーであるビル・チャンプリンを新たに迎え入れ、彼のキーボードとボーカルが加わりました。この変更は成功を収め、チャンプリンはテリー・キャスの後をうまく継ぐことができました。また、クリス・ピニックも新しいメンバーとして加入し、新たなアルバム制作が始まりました。

アルバム制作

アルバム制作のプロセスにおいて、メンバーはマネージャーのジェフ・ワルドを介してデイヴィッド・フォスターにアプローチしました。彼らは前作「シカゴ14」を参考にしつつ、新しい音楽的な方向性を模索しました。フォスターは彼らの音楽を再評価し、最新の技術や外部の作曲家、スタジオミュージシャンを取り入れることで、シカゴのサウンドを一新しました。

このプロセスで最も恩恵を受けたのは、フォスターの音楽的嗜好が近かったピーター・セテラでした。二人の共通のアダルト・コンテンポラリー志向が影響し、シカゴの伝統的なジャズ・ロックスタイルが薄まり、より幅広い新世代のリスナーに訴求する音楽が生まれました。ただし、ロバート・ラムは個人的な問題から制作に関与することができず、アルバムにはわずか1曲しかクレジットされませんでした。また、ローデール・デ・オリヴェイラは『シカゴ14』の発表後に脱退しています。

ヒットシングルと商業成績

『シカゴ16』は、リリース後すぐに人気を博し、全米チャートで第9位に到達しました。また、アルバムはプラチナディスクに認定されるなど商業的な成功を収めました。特に「素直になれなくて（Hard to Say I'm Sorry）」は、このアルバムからのシングルとしてアメリカで2度目のトップ1を記録し、その後は映画『青い恋人達』のサウンドトラックにも使用されました。このシングルは、その後の「ラヴ・ミー・トゥモロウ」にもつながるヒットとなり、シカゴの音楽の可能性を再確認する結果となりました。

アルバムのトラック

このアルバムには以下の曲が収録されており、さまざまなスタイルの楽曲が楽しめます。

• - ホワット・ユー・アー・ミッシング
• - あなたの気持ち
• - バッド・アドヴァイス
• - チェインズ
• - 素直になれなくて～ゲット・アウェイ
• - フォロー・ミー
• - ソニー・シンク・トゥワイス
• - ホワット・キャン・アイ・セイ
• - レスキュー・ユー
• - ラヴ・ミー・トゥモロウ
• - ダディーズ・フェイヴァリット・フール

結論

『シカゴ16』はシカゴの音楽キャリアにおいて重要な位置を占めるアルバムであり、新たな時代への移行を印象付けています。デイヴィッド・フォスターとの協力によって生まれたこの作品は、多くのリスナーに愛され続けており、シカゴの音楽的遺産に欠かせない一枚となりました。

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