シキザクラ

シキザクラ（四季桜）

シキザクラ（学名：Cerasus × subhirtella ‘Semperflorens’ Miyoshi）は、バラ科サクラ属に分類される桜の一種です。エドヒガン系のコヒガンをルーツに持ち、マメザクラとエドヒガンの種間雑種として生まれました。最大の特徴は、年に二度、春と秋から冬にかけて花を咲かせる二季咲き性を持つことです。

特徴

シキザクラは、春（4月上旬頃）と秋（10月頃から）の二度開花します。暖冬の年には、冬の間も断続的に花を咲かせることがあります。この二季咲き性は、ジュウガツザクラ、コバザクラ（フユザクラ）、コブクザクラなど他の広義の冬桜にも見られる特徴です。

樹形は傘状で、樹高は5メートルほどの亜高木に成長します。花は一重咲きで、淡い紅色をした小輪の花を咲かせます。春の開花時期には新芽も同時に芽吹きますが、秋の開花時期には葉が落ちる中で花を咲かせる点が異なります。また、春に咲く花の方が秋に咲く花よりも大きくなる傾向があります。

他の二季咲き桜との識別

シキザクラは、同じコヒガン系で二季咲きのジュウガツザクラと、花の咲き方で見分けることができます。シキザクラが一重咲きであるのに対し、ジュウガツザクラは八重咲きです。さらに、萼筒の形状と花の組み合わせによって、他の二季咲き品種との区別も可能です。

シキザクラ: 萼筒が細く、花は一重咲き
ジュウガツザクラ: 萼筒が紅色で、花は八重咲き
コバザクラ（フユザクラ）: 萼筒が紅色で太く、花は一重咲き
コブクザクラ: 萼筒が漏斗型で、花は八重咲き

遺伝的な多様性

シキザクラには、遺伝情報が異なる複数のクローンが存在することが知られています。そのため、同じ栽培品種であっても、クローンごとに微妙な特徴の違いが見られることがあります。これは、接ぎ木や挿し木による繁殖に加えて、他の個体と交雑した種子による繁殖も行われてきたためと考えられています。各個体の形態が似ていたことから、別々の栽培品種として区別されず、一つの栽培品種として認識されるようになったと考えられています。

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