シギスヴァルト・クイケン

シギスヴァルト・クイケン（Sigiswald Kuijken, 1944年2月16日 - ）は、ベルギーを代表する古楽器演奏家です。彼は、バロック・ヴァイオリン奏者、バロック・ヴィオラ奏者、そして指揮者として、国際的に高い評価を受けています。

生い立ちと教育

クイケンは、ベルギーのフラームス＝ブラバント州のディルベークで生まれました。彼は、ブルッヘとブリュッセルの音楽院でヴァイオリンを学び、音楽家としての基礎を築きました。

クイケン三兄弟

クイケンは、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者でありバロック・チェロ奏者の兄ヴィーラント、そしてフラウト・トラヴェルソ奏者ならびにリコーダー奏者の弟バルトルトと共に、「クイケン三兄弟」として知られています。クイケン兄弟は、チェンバロ奏者グスタフ・レオンハルトとの共演でも有名であり、古楽器演奏の分野で重要な存在です。

キャリア

1964年から1972年まで、クイケンはブリュッセルのアラリウス・アンサンブルの一員として活動しました。1972年には、自身のアンサンブルであるラ・プティット・バンドを結成し、バロック音楽の演奏と研究に力を注ぎました。1971年からは、デン・ハーグ王立音楽院およびブリュッセル王立音楽院にてバロック・ヴァイオリンを指導し、後進の育成にも貢献しました。1986年には、クイケン弦楽四重奏団を結成し、室内楽の分野でもその才能を発揮しています。

近年では、バロック音楽や古典派音楽に加え、ロマン派音楽や印象主義音楽にもレパートリーを広げ、指揮者や室内楽奏者として、精力的に演奏活動と録音を続けています。彼の演奏は、古楽器の特性を活かしつつ、音楽の美しさを追求するものであり、多くの聴衆を魅了しています。

ノン・チン奏法

クイケンは、ヴァイオリン本体をあごではさまないで演奏する「ノン・チン奏法」の第一人者としても知られています。この奏法は、ヴァイオリンの響きを最大限に引き出すためのものであり、彼の演奏スタイルに大きな影響を与えています。

受賞

2007年2月2日には、ルーヴェン・カトリック大学より名誉博士号を授与されました。

シギスヴァルト・クイケンは、古楽器演奏の分野におけるパイオニアの一人であり、その音楽に対する深い知識と情熱は、次世代の音楽家たちに多大な影響を与え続けています。彼の業績は、バロック音楽の演奏と研究において、非常に重要な貢献となっています。

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