シコルスキー S-76

シコルスキー S-76 概要

シコルスキー S-76（Sikorsky S-76）は、アメリカの航空機メーカーであるシコルスキー・エアクラフト社が1977年に初飛行した双発ターボシャフトエンジンを搭載した中型ヘリコプターです。この機体は、報道、警察、社用機といった多様な用途で広く利用されています。

特徴

S-76は、民間市場の競争力を高めるために自主開発されたモデルで、メインローターは後退角が付けられた4枚のチタニウム・ノーメックス・ガラス繊維複合材によって作られたものが特徴です。また、テールローターは複合材製の4枚、降着装置は前輪式で引き込み機構を採用しています。流麗なデザインと快適な乗り心地から、VIP輸送や観光用に利用されることも多く、その用途は多岐にわたります。

バリエーション

S-76は、いくつかの派生型が存在し、それぞれ異なるエンジンを搭載しています。

• - S-76A：アリソン社の250-C30エンジン（650shp）を2基搭載。
• - S-76 Mk.II：1982年に発売され、全天候飛行向けの航法機器が搭載され、エンジンの信頼性が向上。
• - S-76B：プラット・アンド・ホイットニー社のPT6B-36Aエンジン（960shp）を2基搭載。
• - S-76C、S-76C+、S-76C++：様々なエンジンバリエーションがあり、出力が向上。
• - S-76D：最新型で、エンジンはPW210S（1,000shp）を搭載し、コンポジット製のメインローターを使用。自動操縦システムなども更新されています。

それに加えて、RP1としても知られるモデルは、S-76Aを基にした試験機です。

性能指標（S-76C++バージョン）

• - 乗員：2名
• - 乗客：12名
• - 全長：16メートル
• - 主回転翼直径：13.41メートル
• - 空虚自重：3,177 kg
• - 最大離陸重量：5,306 kg
• - 航続距離：639 km

日本における導入

日本では、S-76Bが警察航空隊や消防防災航空隊によって使用され、海上保安庁ではS-76C/C+/C++/D型が運用されています。これらの機体は、巡視船搭載機として使用されることが多く、現在では最新型のS-76Dが主に使用されています。さらに、報道機関や特定の離島を結ぶ航空路線にも利用されており、実際の運用例としては、東邦[[航空]]の「東京愛らんどシャトル」が挙げられます。

結論

シコルスキー S-76は、その多用途性と高い性能から、多くの国や地域で広く愛用されているヘリコプターです。特に、ビジネスや緊急サービスの分野での需要が高く、今後もその活躍が期待されます。

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