シシガシラ科

シシガシラ科（Blechnaceae）は、シダ植物門に属する多様な植物群です。そのほとんどが地上性のシダであり、短い茎を持つことが一般的です。この科の植物は、網状中心柱という独特な構造を持っていることが大きな特徴の一つです。

胞子のう群の形状も特徴的で、細長い形をしており、羽片の主脈や主軸に沿って形成されます。包膜も細長く、主軸の反対側に付着し、成熟すると主軸側が開くという構造を持っています。葉の形は多様で、単羽状複葉、またはそれがさらに細かく切れ込んだ形状を示すものが多く見られます。

シシガシラ科は世界中に広く分布しており、特に南半球を中心に熱帯地域に多くの種が生息しています。全体では8属250種が確認されており、日本国内からはヒリュウシダ属（Blechnum）とコモチシダ属（Woodwardia）の2属、合わせて10種が知られています。

日本で見られる代表的な種を以下に示します。

ヒリュウシダ属（Blechnum）

ヒリュウシダ (B. orientale L.): 比較的よく見られる種で、観賞用としても利用されます。
シシガシラ (B. niponicum (Kunze) Makino): 日本を代表する種の一つで、山地の湿った場所に生育します。
オサシダ (B. amabile Makino)

コモチシダ属（Woodwardia）

コモチシダ (W. orientalis Sw.): 大きな葉が特徴で、葉に子株を形成することからこの名が付きました。
オオカグマ (W. japonica)
オオギミシダ (W. harlandii Hook.)

これらの種は、それぞれ独自の形態や生態を持っており、日本のシダ植物相の多様性を示す一例となっています。シシガシラ科の植物は、森林の生態系において重要な役割を果たしており、その保全は生物多様性の維持に不可欠です。

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