シスター (ポルノグラフィティの曲)

ポルノグラフィティ15thシングル「シスター」：新たな出発の物語

2004年9月8日、ポルノグラフィティは15枚目のシングル「シスター」をリリースしました。1999年9月8日のメジャーデビューからちょうど5周年、そして前作から約9ヶ月という期間を経て発表されたこのシングルは、メンバーのTama脱退後、2人体制となった彼らにとって最初の作品という、大きな意味を持つものでした。20代の最後の年、様々な節目が重なった特別な1枚と言えるでしょう。

楽曲「シスター」：再出発への決意

表題曲「シスター」は、岡野昭仁が「デビューから10年間で一度だけバンド活動を止めようかと考えたことがあったが、二人で再び前に進もうと決意したときにリリースした曲」と語る、重要な作品です。サポートメンバーからは「リスタートにしては暗いイメージだね」と冗談交じりのコメントがあったというエピソードも、バンドの新たな出発を示唆しています。

楽曲の特徴として、イントロからアウトロまでスネアドラムのクローズロールが連続し、6本のエレクトリックアコースティックギターが使用されている一方、ギターソロは存在しない点が挙げられます。独特のサウンドは、バンドの決意を静かに、しかし力強く表現しています。リリースに先駆け、7月25日に行われた『MEET THE WORLD BEAT 2004』で初披露されたことも注目に値します。

収録楽曲：多様な表現と世界観

カップリング曲には「Human Being」と「天気職人」が収録されています。

「Human Being」は、個人ではなく人間という存在そのものを風刺的に描いた作品です。一方、「天気職人」は、アウトロで岡野昭仁の口笛が聴ける点が特徴的です。さらに、6thアルバム『m-CABI』収録の「BLUE SNOW」では、「天気職人」という歌詞が登場し、アウトロには「天気職人」のイントロが流れているなど、ポルノグラフィティの作品世界を象徴する楽曲同士の繋がりを見ることができます。

制作陣とサポートメンバー

「シスター」のレコーディングには、多くのサポートメンバーが参加しました。ドラムスは村石雅行、ベースは美久月千晴、アコースティックギターには林部直樹、パーカッションは三沢またろう、マーチングスネアには村石雅行、野崎真助、斉藤孝、シンセサイザーは飯田高広、エレクトリックギターサウンドデザイナーには遠藤太郎、その他の楽器はak.hommaが担当しています。それぞれの演奏が楽曲に深みと広がりを与えています。 「Human Being」と「天気職人」のサポートメンバーについては情報が公開されていません。

初回限定盤とCD規格

初回限定盤はデジパック仕様となっており、コレクターズアイテムとしても人気がありました。当初はレーベルゲートCD2規格でリリースされましたが、ソニーのコピーコントロールCD販売からの撤退に伴い、同年11月にはCD-DA規格で再発売されています。

マジックタイムのジャケット

ジャケット写真は、空が夜から朝へと移り変わるマジックタイムを捉えたもので、楽曲の世界観を象徴する一枚となっています。静謐で幻想的な雰囲気は、楽曲の持つ内省的な部分と重なり、リスナーに深い印象を与えます。

まとめ

「シスター」は、単なるシングルリリースではなく、ポルノグラフィティにとって大きな転換期を象徴する作品です。2人体制での再出発、メジャーデビュー5周年、そして20代の最後の作品という節目を凝縮したこのシングルは、彼らの音楽史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。楽曲、ジャケット、サポートメンバー、そして様々なエピソードを通して、バンドの新たな一歩と、その後の活躍への期待が感じられます。

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