シティターミナルゾーン

シティターミナルゾーン

ロングアイランド鉄道（LIRR）におけるシティターミナルゾーンとは、ニューヨーク市内に位置する鉄道路線の集合体に与えられた名称です。このゾーンは、LIRRの広大なネットワークにおいて、特に都市部の終着駅へアクセスする重要な区間を担っています。

範囲

シティターミナルゾーンが具体的に指す範囲は、ジャマイカ駅の西側に広がるエリアです。ジャマイカ駅はLIRRの主要なハブ駅であり、ここから西へ向かう路線がシティターミナルゾーンに含まれます。特に、運賃ゾーン1に属する全ての駅がこのゾーンに含まれるとされていますが、ポートワシントン支線の一部であるメッツ-ウィレッツ・ポイント駅はこの例外となります。このゾーンは、クイーンズ、ブルックリン、そしてマンハッタンの一部に及び、ニューヨーク市内の主要な交通結節点を結んでいます。

主要な経路

シティターミナルゾーンへ向かう、あるいはゾーン内を走る主な経路は複数存在します。

本線 (ML - Main Line): LIRRの基幹となる路線であり、ジャマイカ駅から西へシティターミナルゾーンへと至る主要なルートの一つです。

ペン・ステーション方面 (NYP): マンハッタン中心部にあるペン・ステーションを終着駅とする列車が利用する経路です。イースト川の下を通るトンネルを経由し、ニューヨーク市で最も重要なターミナル駅の一つへ直接乗り入れます。

* ハンターズポイント・アベニュー/ロングアイランド・シティ方面 (HP): クイーンズのハンターズポイント・アベニュー駅やロングアイランド・シティ駅へ停車する列車が使用する経路です。この経路は現在、主に平日のラッシュアワーに限って運行されており、利用者の多い方向（朝はロングアイランド・シティ方面へ、夕方はロングアイランド・シティ方面から）へのサービスを提供しています。

また、シティターミナルゾーン内には、ブルックリンのアトランティック・ターミナル駅を終点とするアトランティック支線 (AT) も含まれます。アトランティック・ターミナルはブルックリンにおけるLIRRの主要なターミナルであり、この経路は同区間の利用客にとって不可欠なルートとなっています。

将来計画

シティターミナルゾーンの将来は、大規模な交通インフラプロジェクトによってさらに発展する予定です。特に、現在進行中のイースト・サイド・アクセスプロジェクトの一環として、マンハッタンのグランド・セントラル・ターミナルへの新しい支線が含まれることになっています。この計画により、LIRRの列車がグランド・セントラルへも乗り入れ可能となり、マンハッタン東側へのアクセスが大幅に向上します。

イースト・サイド・アクセス計画の残りの部分が完了すれば、クイーンズのサニーサイド地区に新しい駅が建設される可能性も示唆されています。これらの開発は、シティターミナルゾーンがニューヨーク都市圏の公共交通ネットワークにおいて、今後さらに重要な役割を担うことを示しています。

シティターミナルゾーンは、LIRRを利用する多くの通勤客や旅行者にとって、ニューヨーク市内の最終目的地へ到達するための玄関口としての機能を果たしています。その範囲と複雑な経路網は、都市の動脈としての鉄道の重要性を物語っています。

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