シドニー国際ピアノコンクール

シドニー国際ピアノコンクール

シドニー国際ピアノコンクール（英語名称: Sydney International Piano Competition）は、オーストラリアにおいて最も高い権威を持つとされる国際的なピアノコンクールです。1977年にその歴史が始まり、1988年以降は4年ごとのサイクルで、オーストラリア最大の都市シドニーを舞台に開催されています。

概要と選考プロセス

このコンクールは、世界各地で行われる厳格なオーディションを通過した、将来有望な32名の若手ピアニストたちによって競われます。参加資格は、原則として17歳から30歳までの奏者に与えられます。

コンクール本選は約10日間にわたって行われ、参加者は複数のステージを経て技量を披露します。段階的な審査により人数が絞り込まれ、最終的には6名のファイナリストが選出されます。この最終ステージであるファイナルは、シドニーのランドマークであるシドニー・オペラハウスにて、オーケストラとの共演形式で行われます。

近年では、コンクールの公式ピアノとして複数のメーカーの楽器が採用されています。例えば2023年の開催では、FAZIOLI、シゲルカワイ、ハンブルク・スタインウェイが指定されました。

主な入賞者

これまでに多くの才能あるピアニストがこのコンクールで入賞を果たしており、国際的なキャリアを築く登竜門の一つとなっています。以下に、各回における第1位入賞者を中心に、特筆すべき入賞者を一部ご紹介します。より詳細な入賞者リストは、コンクールの公式サイトで確認できます。

第1回（1977年）
第1位: イリーナ・プロトニコヴァ（ソ連）
第2回（1981年）
第1位: チア・チョウ（台湾出身/カナダ国籍）
第3回（1985年）
第1位: ドゥ・ニン=ウ（中国）
第4回（1988年）
第1位: アレクサンダー・コルサンティア（ソ連）
第5回（1992年）
第1位: コン・シャントン（中国）
第4位: 有森博（日本）
第6回（1996年）
第1位: セルゲイ・タラソフ（ロシア）
第2位: 高雄有希（日本）
第7回（2000年）
第1位: マリーナ・コロミーツェヴァ（ロシア）
第2位: 上原彩子（日本）
第8回（2004年）
第1位: ジョン・チェン（マレーシア出身/ニュージーランド）
第4位: 島田彩乃（日本）
第9回（2008年）
第1位: コンスタンティン・シャムライ（ロシア）
第4位: 佐藤卓史（日本）
第5位: 北村朋幹（日本）
第10回（2012年）
第1位: エイヴァン・ユー（カナダ）
第11回（2016年）
第1位: アンドレイ・ググニン（ロシア）
第12回（2021年）
第1位: アレクサンダー・ガジェヴ（イタリア/スロベニア）
第6位: 太田糸音（日本）
第12回（2023年）
* 第1位: ジョンファン・キム（韓国）

シドニー国際ピアノコンクールは、若き才能の発掘と育成、そして世界の音楽文化の発展に貢献し続けています。

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