シド・フェルナンデス

チャールズ・シドニー・フェルナンデス：ハワイが生んだ技巧派左腕

チャールズ・シドニー・フェルナンデス（Charles Sidney Fernandez、1962年10月12日 - ）は、アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル出身の元プロ野球選手。愛称は「El Sid」。独特の投球フォームから繰り出されるカーブを武器に、メジャーリーグで活躍した左腕投手です。

プロ入りとメッツでの飛躍

1981年のMLBドラフトでロサンゼルス・ドジャースから3巡目指名を受けプロ入り。マイナーリーグで順調に成長し、1983年にはメジャーデビューを果たします。翌1984年にはニューヨーク・メッツへ移籍し、先発ローテーションに定着。1985年にはリーグトップの奪三振率を記録し、その才能を開花させました。

1986年は前半戦で12勝を挙げ、オールスターゲームにも初選出。チームの地区優勝に大きく貢献します。アストロズとのリーグチャンピオンシップシリーズでは敗戦投手となるも、ボストン・レッドソックスとのワールドシリーズではリリーフとして好投。17年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献しました。

オールスター選出とその後

1987年には2年連続でオールスターゲームに選出され、ピッチャー・オブ・ザ・マンスも受賞。1988年にはチームを再び地区優勝に導きました。1989年にはキャリアハイとなる14勝を挙げ、奪三振も198を記録するなど、エースとしての地位を確立します。

しかし、1990年以降は故障に苦しみ、本来の力を発揮できなくなります。ボルチモア・オリオールズ、フィラデルフィア・フィリーズなどを経て、1997年に現役を引退しました。

プレイスタイルとエピソード

フェルナンデスのフォーシームの球速は約136km/hと速くはありませんでしたが、独特のモーションと左サイドスローから繰り出されるカーブで打者を翻弄し、高い奪三振率を誇りました。また、被安打も少なく、9イニング平均の被安打数は歴代でも上位にランクインしています。

チームメイトのドワイト・グッデンが三振を奪う度に「K」のボードが掲げられたのに対し、フェルナンデスが三振を奪うと「S」（「Sid」の「S」）のボードが掲げられました。また、ハワイ出身であることを誇り、メジャーのキャリアを通じて背番号「50」を着用。メッツ時代には、先発登板する試合前にハワイアンソングが流れるなど、地元愛に溢れた選手としても知られています。

引退後

引退後は故郷のハワイに戻り、コーチ業などを務めています。2001年にはニューヨーク・ヤンキースのスプリングトレーニングに参加し話題となりましたが、マイナーリーグで復帰後、再び引退しました。

詳細情報

年度別投手成績: (省略)
獲得タイトル・記録:
オールスターゲーム選出 2回（1986年，1987年）
ピッチャー・オブ・ザ・マンス 2回（1987年4月，1995年8月）
* 背番号: 50（1983年 - 1997年）

チャールズ・シドニー・フェルナンデスは、技巧派左腕としてメジャーリーグで輝かしい実績を残しただけでなく、ハワイへの愛情を常に表現し続けた、多くのファンに愛された選手でした。

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