シネマ・インターナショナル・コーポレーション

シネマ・インターナショナル・コーポレーション（CIC）

シネマ・インターナショナル・コーポレーション（Cinema International Corporation、略称CIC）は、1970年代初頭にパラマウント・ピクチャーズとユニバーサル・ピクチャーズによって設立された映画配給会社です。主にアメリカ合衆国外での映画配給を目的としており、設立当初の配給範囲はヨーロッパ、南米、および南アフリカでした。CICは、当時のアメリカ映画の「最も重要な海外配給会社」として広く認識されていました。1981年にはユナイテッド・アーティスツの海外部門と合併し、ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ（UIP）として新たにスタートしました。

会社の背景と設立の経緯

CICの設立には、パラマウントとMCA（現：ユニバーサル・スタジオ）との長期的な関係が影響を与えています。この関係は1950年代から始まり、MCAの人材の一部がパラマウントで活躍していました。1958年にはMCAがパラマウントのサウンドライブラリーを買収し、1962年にはMCAがユニバーサル・スタジオ自身を買収しました。こうした変化により、2つの大手映画スタジオは密接に結びつくこととなりました。

1960年代後半、パラマウントは国際的な映画配信コストの問題を抱えており、効率化のために20世紀フォックスと国際事業を統合しようと試みましたが、こちらは実現しませんでした。1970年2月、ガルフ+ウエスタンの会長チャールズ・ブラッドホーンがMCAユニバーサルの会長ルー・ワッサーマンと会い、彼らは海外配業務を新たな企業に統合することで合意。この結果、1971年7月1日にCICが正式に設立されました。

CICはオランダで法人化され、本社はロンドンに構えました。共同会長にはアンリ・ミショーとアーサー・アベレスが就任。設立後、CICは短期間で多くの国で事業を展開し、1975年には47カ国での配信を実現し、ハリウッド作品の約40％の配信権を握る存在となりました。

提携と拡大の歩み

CICの成長は、業界内でのさまざまな提携によって加速しました。1973年11月には、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）が配給事務所を閉鎖したことを受け、CICはMGMの国際配給を担当することとなり、これによりCICは南アフリカの映画館運営会社フィルム・トラストの株主となりました。このパートナーシップは1976年まで続きました。

また、CICは配給業務にとどまらず、MGMやワーナー・ブラザースと提携して映画館の運営も行い、さらにCICビデオを設立することでホームビデオ市場にも進出しました。特に、パラマウント社やユニバーサル社の作品を世界中に配信することで、ビデオ市場においても大きな影響力を持つこととなりました。

改革と新たな展開

1981年、MGMがユナイテッド・アーティスツを買収した際には、CICはその海外部門との合併を選択し、ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズとして再スタートを切ります。この結果、CICはコロンビア=EMI=ワーナー・ディストリビューターズに次ぐイギリスにおける二大配給会社の一つとなり、国際映画配給市場における地位を確立しました。

CICのビデオ部門は1999年にユニバーサルがポリグラム・フィルムド・エンターテイメントのビデオ部門を買収した際も存続し、その後もビデオ配給において重要な役割を果たしました。

また、CICビデオは2000年代に入ってからは統合が進み、パラマウントはCICビデオの全権を握ることとなりました。現在の映画配信の形態は、CICを通じて役立っている多くの映画作品の配信においてもその影響が見られます。

シネマ・インターナショナル・コーポレーションは、映画配給業界における画期的な進展を象徴する企業として、現在でもその影響力は色褪せることなく、映画産業の発展に寄与し続けています。

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