シバ・クレーター

シバ・クレーター：幻の巨大隕石衝突跡

シバ・クレーターは、古生物学者シャンカール・チャタジーによって提唱された、インドのムンバイ西方沖の海底に存在する可能性が指摘されている巨大な地形です。チャタジーは、この地形が約6550万年前の小惑星衝突によって形成されたと主張しています。

しかし、地球科学者の間では、シバ・クレーターが実際に衝突クレーターであるという認識は広まっていません。ウィーン大学のクリスチャン・コバール教授は、この説を「想像上の虚構」と批判しており、カナダのニューブランズウィック大学にある惑星宇宙科学センターの隕石衝突データベースにも、衝突クレーターとしては登録されていません。

規模と形状

チャタジーの説によれば、シバ・クレーターは長さ600km、幅400kmの長方形をしており、地球上で最大の隕石クレーターであるフレデフォート・ドームよりも巨大です。その規模は、極めて巨大な複雑クレーターに分類され、クレーター外縁や中央丘の高さはエベレスト山に匹敵するとも言われています。この特異な形状について、チャタジーは天体が浅い角度で衝突したことと、断層による複合的な要因が重なった結果であると考えています。推定される衝突天体の直径は40kmにも及ぶとされています。

K-Pg境界との関連性

チャタジーは、シバ・クレーターを形成した小惑星の衝突が、チクシュルーブ・クレーターを形成した衝突と並び、恐竜を含む動植物が大量絶滅した白亜紀末のK-Pg境界の主要な原因となったと考えています。しかし、この説は科学的な議論を呼んでおり、その信憑性についてはさらなる検証が必要です。

議論と課題

シバ・クレーターの存在は、その規模の大きさやK-Pg境界との関連性から、大きな注目を集めています。しかし、その成因や影響については、科学的なコンセンサスが得られていないのが現状です。今後の研究によって、シバ・クレーターの正体が明らかになることが期待されます。

関連項目

デカン・トラップ
K-Pg境界
大量絶滅
クレーター
フレデフォート・ドーム
バティスティーナ小惑星群
チクシュルーブ・クレーター
シヴァ - ヒンドゥー教の破壊神であり、クレーターの名称の由来となりました。

もう一度検索