シボレー・トレイルブレイザー

シボレー・トレイルブレイザー：小型SUVの歴史とグローバル展開

シボレー・トレイルブレイザーは、ゼネラルモーターズ（GM）が製造し、シボレーブランドから販売されているスポーツ・ユーティリティ・ビークル（SUV）です。その歴史は、1999年にコンパクトSUVであるシボレーS-10ブレイザーの上級グレードとして登場した「ブレイザートリムライン」に遡ります。

初代トレイルブレイザー（2001年-2009年）

2001年、S-10ブレイザーの上級グレードから独立した車種として、トレイルブレイザーが正式にデビューしました。サイズは、同時期の日本市場における輸入SUVの中では比較的コンパクトながらも、日本の道路事情に適したサイズ感から人気を博しました。

初代トレイルブレイザーは、GMT360プラットフォームを採用。GMCエンボイ、オールズモビル・ブラバダ、ビュイック・レイニア、いすゞ・アセンダー、サーブ9-7Xなど、複数のGM傘下ブランドのSUVと姉妹車関係にありました。標準ボディに加え、3列シート7人乗りのロングボディ版「EXT」も設定。EXTは標準ボディに比べて全長とホイールベースが延長され、3列目乗員の居住性を高めるため、ルーフも高く設計されていました。

製造は、標準ボディがオハイオ州モレーン工場、ロングボディがオクラホマ州オクラホマシティ組立工場で行われていました。しかし、オクラホマシティ工場の閉鎖に伴い、2006年モデルイヤーを最後にロングボディの生産は終了しました。

当初は、GMT360プラットフォームの後継となるGMT361プラットフォームを用いた新型トレイルブレイザーの開発計画がありました。しかし、GMの経営状況悪化により、この計画は中止。結果的に、初代トレイルブレイザーは2009年モデルイヤーまで生産が続けられましたが、モレーン工場の閉鎖に伴い、2008年12月に生産終了となりました。

日本市場では、LT、LTZ、および7人乗りロングボディのEXT LT、EXT LTZの4グレードが販売されました。米国で販売されたSSグレードなどは、並行輸入や光岡自動車による販売以外では入手困難でした。輸入元は当初スズキでしたが、2007年からはGMAPJ（ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン）に変わりました。販売チャネルはスズキアリーナ店（2006年まで）、GMシボレー店、ヤナセなどでした。米国では2006年モデルでフェイスリフトが行われましたが、日本市場ではフェイスリフト版は導入されず、2008年モデルが最後の正規輸入となりました。

2代目トレイルブレイザー（2012年-）

2011年11月のドバイ国際モーターショーでコンセプトモデルが公開され、2012年3月のバンコク国際モーターショーで市販モデルが正式発表されたのが、2代目トレイルブレイザーです。生産はGMタイランドのラヨーン工場で行われ、タイを皮切りにアジア、中東、南米などに順次投入されました。ただし、北米市場への導入は行われていません。

2代目トレイルブレイザーは、2代目シボレー・コロラドピックアップトラックをベースとしたボディオンフレーム構造を採用。コロラドと共通のプラットフォームを使用しており、GMブラジルで開発されました。エクステリアデザインはGMサウスアメリカ・デザインセンター（サンパウロ州サン・カエタノ・ド・スル）が担当し、コロラドと共通のフロントデザインを採用。パワートレーンもコロラドと共通で、2WDと4WD、新開発の「デュラマックス」ディーゼルエンジン（2.5Lと2.8Lの直列4気筒）、5速MTおよび6速ATがラインナップされました。

オセアニア市場では、ホールデンブランドから「コロラド7」として販売されています。外観上の違いはエンブレム程度で、ピックアップトラックからの派生モデルであることが強調されています。2012年10月のオーストラリア国際モーターショーで発表され、同年11月より販売が開始されました。

トレイルブレイザーは、その歴史の中で市場のニーズやGMの経営状況に影響を受けながら、進化と変遷を遂げてきたSUVと言えるでしょう。

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