シミター (スタートレック)

シミター（Scimitar）

シミターは、アメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズにおける映画『ネメシス/S.T.X|ネメシス_S.T.X』に登場する架空の宇宙艦です。ロミュラン帝国の最下層の隷属種族であるレムス人が長年の抑圧の中で建造したこの戦艦は、2379年に初めてその存在が確認されました。シミターは、シンゾン総督の指揮下にあり、レムス人が極秘裏に進めていたプロジェクトの産物です。

この艦は、ロミュラン帝国で一般的なデイダリデックス級ウォーバードと比較するとやや小型ですが、地球のソヴェリン級宇宙艦よりは遥かに大型です。艦体はシルバーグレー色をしており、その外観はクリンゴン帝国のバード・オブ・プレイを模した猛禽類の形状をしています。ただし、頭部に相当する部分は存在していません。また、胴体の後方両側には、バナナのような形状のワープナセルが搭載されており、22世紀中頃のクリンゴン船に似たデザインが特徴です。

シミターは、地球人を抹殺するためにセクター001へ向かい、セクター1045に集結したオメガ戦闘群に加わる予定でした。その途中、U.S.S.エンタープライズEと遭遇し、バッセン断層でその艦を襲撃します。戦闘の初期では圧倒的な優位を保っていたものの、エンタープライズEの捨て身の攻撃によって艦は中破し、侵入してきたデータ少佐によってセラロン放射線発生器が破壊されることとなります。この爆発が原因で最終的に艦は沈没しました。

武装と技術

シミターは、他のロミュラン艦よりも高性能な遮蔽装置を搭載しており、その隠蔽能力は完璧と言えるほどです。惑星連邦の艦は、シミターが自身の位置から10メートルも離れた際には気づかないほどです。この艦は、従来の『スタートレック』シリーズにおいて遮蔽中に武器を使用できないという常識を覆し、姿を消した状態でディスラプターや光子魚雷を発射することができます。

防御シールドは主要シールドと補助シールドからなる二重構造で、ディスラプター・バンクが52基、光子魚雷格納庫が27室搭載されています。このため、シミターは広範囲にわたる威力を発揮することが可能です。特に、セラロン放射線を用いることで、有機物質を原子レベルで破壊する兵器を搭載しており、この機能を作動させるには艦のウィングを特定の形状に展開させる必要があります。この兵器の威力は、1隻の艦で一つの惑星の生命体を全て抹殺できるほどです。

同型艦

シミターと同じ型の艦には、I.R.W.ディシウスやI.R.W.リーヴァルが存在します。I.R.W.ディシウスは、地球暦2409年にU.S.S.サンジョゼの指揮する惑星連邦軍に迎撃されたロミュラン艦隊の旗艦であり、戦闘の末、撃沈されました。一方、I.R.W.リーヴァルは、女帝セーラが乗艦していた艦で、大破した後、救助されて逃亡します。

これらの艦は、ゲーム『Star Trek Online』にも登場し、プレイヤーが使用できるScimitar級艦が用意されています。キャラクターのクラスに応じて、Science・Tactical・Engineeringの3タイプが選択可能です。

まとめ

シミターは、ロミュラン帝国の中でも特に恐れられる存在の戦艦であり、その極めて高い戦闘能力と独特なデザインは多くのファンの関心を引き付けています。この艦の登場は、『スタートレック』の世界観に新たな深みを与えています。

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