シミュレイター

シミュレイター

『シミュレイター』は、アナログゲームであるウォー・シミュレーションゲームに焦点を当てた情報誌です。この雑誌には、主に2つの時代があり、発行元の変遷に伴って名前が異なります。前期はレックカンパニーによる「SIMULATOR」で、これを『旧シミュレイター』と呼びます。一方、後期は翔企画によって発行された「Simulator」で、これを『新シミュレイター』と称します。

旧シミュレイター

初代の編集長に就任したのは鈴木一也です。1982年に創刊されると、1984年には一時休刊を迎えましたが、その間に発行されたのは通巻14号です。この雑誌は、日本最大のゲームクラブ「ファースト・ディビジョン」の機関誌としてスタートしました。2号以降は、レックカンパニーが経営と編集を引き継ぎ、商業誌に変わったため、そのスタイルや流通経路が確立されました。

B5版の中綴じ形式で、通常の書店では手に入らず、ホビー流通を通じてホビーショップなどで購入可能でした。この時期の『シミュレイター』は、エポック社のウォー・シミュレーションゲームを中心に扱い、その独自の視点が人気を集めました。

新シミュレイター

次に、初代編集長が鈴木銀一郎に変わった『新シミュレイター』は、1985年6月に翔企画から創刊され、1991年6月に休刊しました。通巻は34号発行されています。この時期の雑誌はB5判で平綴じされ、途中からA5判に変更されました。また、地方小出版流通センターを通じて書店流通されました。

『新シミュレイター』は、ホビージャパンによる『タクテクス』と並び、日本におけるボード・シミュレーションゲーム関連の雑誌として双璧を成していました。同時期に他社からも同様の雑誌が発行されており、『オペレーション』や『ウォーロック』、『オフィシャルD&Dマガジン』といった競合が存在しました。

この雑誌では、エポック社のウォー・シミュレーションゲームだけでなく、自社ブランドの「SSシリーズ」なども取り上げられました。特に、東部戦線をテーマにした『ロシアン・キャンペーン』や『ロシアン・フロント』、さらに『ウォー・イン・ヨーロッパ』といった複雑なゲームも取り扱い、ジャンルの多様性が見られました。

さらに、ウォー・シミュレーションゲーム以外にも、『ローズ・トゥ・ロード』や『ルール・ザ・ワールド』といったテーブルトークRPGの特集号も発行するなど、様々なジャンルに挑戦しました。各号ではスポーツゲームのコーナーも設けられ、広範な読者層をターゲットにしていました。

付録ゲーム

『新シミュレイター』に付録としてついたゲームは以下の通りです：

• - 第3号: 遣唐使の戦い
• - 第4号: 北緯73度 バレンツ海海戦
• - 第5号: Quest & Adventure
• - 第10号: 闇の城塞
• - 第11号: 闇の軍団 若き魔法使いの冒険
• - 第12号: 怪獣戦略
• - 第13号: 黒騎士物語
• - 第14号: 風雲児将門
• - 第22号: パシフィック・ヒート
• - 第33号: すごろく第3帝国

編集に関わった人物

『シミュレイター』の編集には多くの人物が関わりました。主に鈴木銀一郎、藤浪智之、中黒靖、鹿内靖、伝法裕子といった多彩なメンバーが名を連ねています。これにより、雑誌の内容も豊かになり、それぞれの視点からの洞察が加わりました。

まとめ

『シミュレイター』は、日本のウォー・シミュレーションゲームの歴史において重要な位置を占めており、その変遷は様々なゲームファンに影響を与えてきました。旧シミュレーターから新シミュレーターへの移行を経て、数多くのゲームや情報を提供した点でも、今日に至るまでのレガシーを残しています。

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