シムカ・1300/1500

シムカ・1300/1500 (Simca 1300/1500)

シムカ・1300/1500は、フランスの自動車メーカー、シムカによって1963年から1975年まで生産された小型乗用車です。このモデルは、長年にわたってフランスの自動車市場において重要な役割を果たしました。

概要

シムカ・1300/1500は、1951年に生産が始まったロングセラー車、シムカ・アロンドの後継として登場しました。アロンドが高い人気を誇ったこともあり、シムカはフランスの自動車市場において第四位のメーカーとしての地位を確立しました。1300/1500の設計は、当時のフランス車に特徴的な個性的な物ではなく、堅実でオーソドックスなモデルとして知られています。

この車両は、オーバーヘッドバルブ（OHV）エンジン、後輪駆動、そして後輪固定軸サスペンションといった、当時の自動車において一般的な機構を持っています。この特徴により、多くのドライバーが安心して運転できるモデルでした。

ボディバリエーション

シムカ・1300/1500は、最初は4ドアセダンのみとして市場に登場しましたが、1964年には5ドアワゴン（ブレーク）が追加され、さらには1965年には1300モデルでもこの選択肢が可能になりました。このウエゴン版は独特の開閉方式を採用しており、テールゲートは後窓を収納した後、下半分を前方に倒して開くというスタイルでした。さらに、1500GLモデルの荷室床を外すとピクニックテーブルとして使用できる工夫があり、実用性の高いデザインが特徴でした。加えて、1500「ファミリアール」では7人乗りの仕様もあり、屋根にはラゲージラックが追加されているなど、ファミリー層にも配慮された内容でした。

マイナーチェンジとモデル名の変更

1966年9月にはモデル名が「シムカ・1301/1501」に変更され、フロントノーズが拡張されるなど、デザインが一新されました。この改良により、リアオーバーハングも延長され、トランクルームも拡大し、より高級感のある仕上がりとなりました。内装のデザインも刷新され、消費者に新たな魅力を提供しました。

その後、1969年に「1501S」（スペシャル）、1970年には「1301S」という新たなバリエーションが追加されます。しかし、1301/1501は比較的地味な存在であり、1970年代に入っても旧式なデザインや装備が影響し、他モデルとの競争が厳しくなりました。それでも、タクシー用としての需要は根強く、1975年まで生産が継続されました。

日本への輸入とその後

日本では、シムカ・1300/1500が当時の総代理店である国際興業を通じて輸入されていました。しかし、時代が進むにつれ、日本車の性能が向上したため、シムカのような個性の少ない輸入車の販売は困難になりました。1301/1501以降は輸入が中止され、シムカ自体の輸入も1970年代初頭に終了しました。

まとめ

シムカ・1300/1500シリーズは、フランスの自動車市場において歴史的意義を持つモデルであり、長年にわたって多くのユーザーに支持されてきました。その堅実なデザインと信頼性の高さは、当時の自動車界における重要な一ページを飾ることとなりました。

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